第3話

幼稚園の頃と今
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2018/11/29 13:18
(そうだ…あの時…)

あの時、私は初めて人間の心の声を聞いた。

そして、聞こえてきた声は私が好きという驚愕の事実。幼稚園の時なんて空気を読むわけなく、私は彼に「私のことが好き…ってなに?」と聞いてしまったのだ。

小さい頃のこととはいえ、あれは言ってはいけないことだったと思う。

あの時は恋なんて知らなかったし、お母さん大好き!みたいな感じだと思ってた自分が恥ずかしい。


(あの時聞いた声を口にさえださなければ、今私が一人でいることはなかったのかな…。)
彩葉?おーい!
(しまった…、色々思い出したせいで春芽陽の存在を忘れていた…!)
彩葉
あ、ひ、久しぶり…。
何年ぶりだ?お前と会うの。幼稚園卒園以来だから……10年振りくらい?卒園した後、親の転勤でこっち離れてたから同窓会も行ってないし。
彩葉
そ、そうだね。
(もしかして…私の能力のこと覚えてない…?)
そういえば、彩葉、まだあの能力あんの?
彩葉
…!
(忘れてるわけないよね…。)
なぁ、彩葉。俺のあの時の心の声、まだ覚えてる?
彩葉
……
言葉にするなんて度胸がなくて、無言でそっと頷く。
今でも、お前のこと好きだって言ったらどうする?