第8話

彼の夢とお礼
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2018/12/04 13:15
コーヒーとお茶どっちがいい?
彩葉
じゃあ、お茶で。あ、お金…。
付き合ってもらってるのは俺だからこれから奢られせて。
彩葉
あ、ありがとう。
彼に連れられてきたのは、私たちが幼稚園の時によくみんなで遊びに来ていた公園だ。

(あんまりここは変わってないな…。)
彩葉
そういえば、どうしてここに?
俺、さっきあそこのペットショップから出てきただろ?あそこ、叔父さんが店長で、今日から少し手伝わせてもらってるんだ。
実は俺、将来獣医になりたいって思ってるんだ。
彩葉
春芽くんが獣医に…?
(なんかちょっと意外かも…。)
幼稚園の頃さ、育ててたうさぎが死んじゃっただろ?
その時、初めて生き物の死に直面して、すごく衝撃だった。
それで、苦しんでる動物を少しでも助けてあげたい、って思うようになったんだ。
獣医になりたいことを話す彼の瞳はすごく真剣で、きらきらしている。
彩葉
…春芽くんは、将来のことちゃんと考えてるんだね。
彩葉は?
彩葉
私?私はまだなにも…。
春芽くんみたいに、何になりたいと、まだちゃんと考えたことないし。
すぐに、ってわけでもないし、ゆっくり考えればいいと思う。彩葉がやりたいことやればいいんだよ。
(どうして春芽くんはここまで、視野が広いんだろう。)

今日彼の一言のおかげで友達も出来た。


(お礼、言わないと…。)
彩葉
今日の朝さ。
うん。
彩葉
私に、能力なんて気にせずに過ごせばいいって言ってくれたよね。
…そのおかげで、ちゃんと、友達、出来たから…その…ありがとう。
…!
どういたしまして。
…さ!もう時間が時間だし、帰らないとな。
送ってこーか?
彩葉
もう家近いし、大丈夫。
じゃあ、また、明日…。
おう、また明日。気をつけて帰れよ。

(なんか、すっきりした…。
それに、なんか心がぽかぽかする…。)