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「あ、翔陽だ。」
いつもと代わらない朝。
通学路を歩いていると、
よく見かけるオレンジ頭が。
今日は朝練が無いのか、
ゆっくり自転車をこいでいる。
走って彼に近づいた。
「翔陽!おはよ!」
日「おおっ!おはよー!」
朝から明るい笑顔を見せてくれる彼。
私は彼のヒマワリみたいな笑顔が
すごく好きだ。
彼は自転車を降りて、
一緒に歩いてくれる。
「来週からテストだねー。」
日「え"」
面白い反応も見れたり。
色々話しながら歩いていると、
忠を見つけた。
「おはよ。月島は?」
山「あっ、おはよ!
ツッキー今日風邪なんだって。」
日「月島が風邪?!?!」
「月島も人間だから風邪引くよ。(笑)」
三人で並んで歩いていると、
自然と幼馴染みの忠と
思い出話に花が咲いてしまう。
気がつけば教室に着いた。
「はぁ~、楽しかったー。」
日「ふーん、」
あまり興味の無さそうに
相づちを打つ翔陽。
日「あーっ、胸がモヤモヤするー。」
「え?なんで?」
日「あなたと山口が仲良くしてて、
なんか変な感情が。」
「たぶん、ヤキモチ?」
日「そっか。」
「うん。」
日「抱き締めてくれ。」
「へっ?!いきなり?」
翔「うん。」
よく分からないまま、
彼を抱き締める。
「こ、こう?」
翔「ありがとう。元気出た!」
忠に嫉妬をして
甘えてきた翔陽でした。
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(部活前にチャージさせて。)
(えっ?うわぁっ//)
(んー…)
(みんな見てるよ!////)
(気にしない。)
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。