土日は、2話分更新☆
岩泉「勝手にしろよ」
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どんっと肩を押されあなたは
ソファに倒れ込んだ
少し手加減してくれたみたいだけど
やっぱり男の子だから力は強い。
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(普通に痛いんですけど)
そう思いながらも、今のはじめに反抗したら
ダメなことは十分分かっているので
黙っていることにした。
帰り道から頭がズキズキと痛み始めていたあなたは
更に追い打ちをかけられたようで
反抗する気力は無くなっていた。
しかし、
喧嘩の原因は圧倒的にあなたが悪かった。
帰る時間を伝えずに深夜まで遊んでいたからだ。
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(あんなに謝ったのになぁ)
いつもなら折れてくれる彼も、
今回はヒートアップしているようで
許してくれるような状況ではなかった。
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岩泉「ごめん、頭冷やしてくる。」
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バタンとしまった扉を見つめて、
突然の孤独感に襲われて泣けてきてしまった。
頭や押された肩が今更痛み出して、
そのまま、ソファで寝てしまった
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翌朝、違和感を感じて
目をそっと開けてみると
私を見つめるはじめと目が合う。
岩泉「おはようあなた」
あなた『お、おはよう』
岩泉「ごめんな、辛かったよな、」
「こんなに泣かせて。俺彼氏失格だ。」
頬に残る涙のあとを親指でそっとなぞる。
岩泉「肩も痛かっただろ。ほんとにごめんな。」
「昨日は俺、どうかしてた。」
ぎゅっと抱きついて私の肩をさする。
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あなた『私は大丈夫。連絡しなかった私が悪いし』
起き上がろうとした時、
頭痛が頭を襲った。
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あなた『っ!』
岩泉「大丈夫か!?」
あなた『なんか、頭が、痛くてっ.....』
岩泉「わかった。深呼吸忘れんなよ?」
「俺のところおいで」
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隣で手を広げる彼の胸に顔をうずめる。
岩泉「よしよし、絶対よくなるからな」
大きな手で頭を撫でられて
痛みが収まるまでに
時間はかからなかった。
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Fin
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!