第39話

事故で彼氏を庇った彼女-星海光来-③
28,459
2021/02/02 12:00

あなたside

ピッピッピッピッ

なんの音だろう....機械かな...?

あれ私トラックに轢かれて、あの後どうしたんだっけ?

光来と何か話して意識を失ったんだ。

目を開けたい、でも瞼が重くて開かない。

体の感覚はある。人工呼吸器を付けられてて
腕には多分輸血かなんかで針が刺されている。

あと左手に何かわからない温かい感触。
誰かの手かな?

ぐすっぐすっ と誰かの泣く声も聞こえた。

誰だろうこの声....光来.....?

光来に会いたい、会ってちゃんと話したい。

お願い意識戻ってお願い!!

そう強く願った時、真っ白の天井が目に入った。

『こ、うらい...』

やった、意識戻った....。近くにいる光来をすぐに呼んだ。

「!意識戻った...?ちょっと看護師さん呼んでくる!」


そう言って光来は、早足で病室を出ていって
看護師さんを連れてきてくれた。

それからお医者さんと話をして今の私の現状を聞いた。

肋骨折と脚骨折そして顔の打撲。

トラックに轢かれて怪我がこれだけだったのが凄いと思った。

ほんとだったら死んでるはずなのに...。

今後の治療の説明を受けお医者さんは出ていった。

光来とまた2人っきりになり、シーンと静まり返る病室。

こういう時はなんて言えばいいんだろう。

ごめん?それとも距離置いてる設定だから冷たく?

どうしたらいいか分からない時に
先に口を開いたのは光来だった。

「なんで俺を庇うんだよ。なんで自分の命を優先しない....!」

光来の言葉にイラっときた。

『なにそれ自分の命はどうでもいいみたいにさ?
将来有望なバレーボール選手じゃん。それで
今後は一切バレー出来ませんってなったらどーすんの??』

そういうと光来は下を向いてしまった。

しばらく無言が続く。

「...お前の命と引き換えにしてまで俺はバレーしたくない。」

静寂に包まれた病室の中小さな声で聞こえたのは
光来の想いだった。

『え、?』

びっくりした。私の事なんかバレーの次にしか
考えてないような人だと思ってたから。


「お前に距離おこうって言われた時考え直した。
俺バレーばっかだなって、デートも大体俺の都合で
潰れてお前に我慢させてばっかりだった。お前が
俺の目の前で轢かれて気づいた。こんなのが
彼氏と言えるのかって。」



''ごめん''深々とお辞儀をしながらポタポタと涙を流す光来。

ほんとに考えたんだなってのが伝わった。

『わかったから、顔上げて。私公園に
呼び出された時、別れ話かと思ったの.....。』

それを言った瞬間、バッとこっちを向いて必死に
違うと説明している。

『ふふ、わかるよ。今の話聞いて違うんだなってわかった。』

「もう俺のこと嫌いになったか...?」

そこで光来としっかり目が合った。

よく見ると目が赤く腫れていた。
ずっと泣いていたんだと思う。

『なってないよ、私言ったじゃん意識無くす前に大好きって』

「よかった....!!」

光来はまた私の手をぎゅっと握りしめてきてこう言った。

「この先何があってもお前を優先するって誓う。
だからもう離れないで欲しい。」

『いや、私ばっかり優先しなくていいんだよ?
光来のやりたいようにやってよ。』

さすがにそこまで縛り付けたくはない。
でもその言葉がすごく嬉しくて仕方なかった。

「俺のやりたいことがお前を優先するって事。
だから、もう絶対離さない。」

今まで言ってくれないと思ってた。
私のことなんかあまり好きじゃないだろうって

『光来、私の事すき?』

「当たり前だ、てゆーか好きじゃなくて愛してる。」


やっと光来から聞けた''愛してる''の言葉が私の胸に染みた。

光来が握ってくれた私の左手はずっと離される事はなかった。

『私も....光来のこと愛してる!!!』


___________________

Fin
ゆん
ああ〜。ハッピーエンド
私を優先してくれるとか
もう神でしかないよね
そんな人現れないかな〜
まじで運命の人早く
現れてくれないかな!!
ゆん
次は誰書こうかなー。
まぁ期待しといてくださいませ。
ではでは、次も見てくださいね〜!



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