第45話

独占欲 -無気力組-
34,031
2021/02/07 12:31
国見英


『国見ちゃーん!塩キャラメルあげるから付き合お?』


国見「俺の事その呼び方する人総じて嫌い」


『嫌いはひどい!』



キャラメルは貰うけど、なんて

いつもの様に冷たくあしらわれて本日も玉砕。

さすがに心が折れそうになって、

いつも横で笑って見てくれていた金田一くんと

2人きりになった時に話を聞いてもらう。



『もう諦めようかな...』


金田一「うーん、それでいいのか?本気で好きなんだろ?」



もうちょっと頑張れよ、なんて肩にぽんって

手を置かれて励まされると元気が出る。

それからは、金田一くんと話すことが増えて

段々と仲良くなった。
国見くんに嫌われるのが怖くて話しかけられずにいると

励ましてくれる彼に心置き無く話を聞いてもらう。

また2人で仲良く他愛もない話をしていたある日、



??「何してんの」



と物凄い剣幕の国見くんがこちらを睨んでいた。



国見「お前って俺の事好きなんじゃないの?」

「金田一に心変わりしたの?」



突然の出来事にあたふたしている私に変わって

金田一くんが励ましていただけだと説明すると、

私を自分の腕の中に抱き寄せる国見くん。

それを見て、


金田一「おっと...俺はお邪魔だなぁ〜」


なんていきなりの出来事に戸惑う私を置いて

足早にその場を去る金田一くん。


『...どうだろう』


ちょっとだけイタズラしてみると、


国見「やだ、」


なんて眉を下げて駄々こねる国見くんを

可愛いと思ってしまう私の負けだ。


国見「俺の事もっかい好きになって。」


『...言われなくてもずっと好きだよ』


それからしばらく、金田一と2人でいると、

何かと邪魔して、まともに話す隙を与えてくれなくなる
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孤爪研磨



『研磨くんおはよ!今日も可愛いね〜!』

孤爪「ちょっとうるさい、あと嬉しくないから」



今日も呆気なく玉砕する。



『ねぇねぇ私とお話しよ?』

孤爪「ゲームするから、邪魔」



毎日のようにアタックしても相変わらず素っ気なく

あしらわれる始末。私、今日もまたゲームに負けた...

と1人で落ち込んでいると


??「君もよくめげないねぇ〜」


と委員会が一緒でよく面倒を見てくれる研磨くんの

幼馴染だという黒尾先輩に声をかけられた。


『...私、そろそろ嫌われちゃいそうです』

黒尾「んーそれはないと思うよ?」

『どうでしょうか...』


なんて落ち込んでいると


黒尾「大丈夫、優しい黒尾先輩が構ってあげるよーん?」


口元を釣り上げて弧を描く黒尾先輩に


『あはは』


と愛想笑いすると、頭をぽんっとされる。

タイミングよく次の日からは委員会の仕事が

忙しくなり、黒尾先輩と過ごす時間が増えると同時に

研磨くんに話しかけに行く事が難しくなってしまう。

たまたま黒尾先輩と一緒に雑談をしていると、


孤爪「なんでクロといるの」


と研磨くんに声をかけられびっくりして

挙動不審になる。


『あの、あ、と....え、』


黒尾「俺ら仲良しなんだよねぇ〜」


とニヤニヤしながら、指を絡めて手を繋いで来る黒尾先輩。


孤爪「は?」


黒尾 「研磨が興味無いなら

俺が貰っちゃおうかな〜と思ってさぁ?」


なんて会話を繰り広げるけど

イマイチ意味が分からなくて困惑していると、


孤爪「ダメ...クロの事好きになんないで。

俺のこと好きでいてよ...」


と袖を引っ張りながらも少し涙目の研磨くん。


『私はずっと...研磨くんしか好きじゃないよ』


なんて言うといきなりぎゅうううと抱きしめられる

全ては横でニヤニヤしながらみている、

黒尾先輩の思惑通りです。
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赤葦京治


『赤葦くん!!今日もかっこいい〜!好きだよ!』


赤葦「....ほんとに毎日飽きないよね」


『だって好きなんだもん!』


赤葦「.....はぁ」


あれ、なんかちょっとため息つかれた。

さすがにしつこいって思われてるんだろうか...。

確かに、付き合ってる訳でもないのに

毎日好き好き言われるのはしんどいかな。

自分の気持ちが好きな人を

疲れさせてしまってるかもしれない...

なんて真実に気づいた時は顔面蒼白だった。

それからはなるべく赤葦くんに会わないようにした。

毎日楽しみだったバレー部の練習も見に行か無くなった頃、


??「あ、久しぶりじゃ〜ん」


なんて陽気な木葉先輩に声をかけられた。


『こんにちは、あの...どうしたんですか?』


木葉「それはこっちのセリフだってば!」

「最近応援来なくなったからさ〜。」

「赤葦もお前が来なくて木兎よりしょぼくれてんだよ」


いつも完璧な彼に限って、そんな事ある訳ない...

元気ない私を励まそうと木葉先輩が気遣ってくれてるんだ、

と察して、

『私は、木葉先輩達みんなのこと応援してましたよ〜!』


赤葦くんだけひいきなんかしてません!と強がってみせる。


赤葦「それほんとなの?」


不意に声をかけられ、驚いて振り返ると

いつも通りポーカーフェイスの赤葦くんがたっていた。

表情はいつもと変わらないけど声色で怒ってるとわかった。


『...ほんと、だよ』


体が強ばって声が震える。


赤葦「へぇ、俺だけじゃなかったんだね。」

「じゃあ、木葉さんに乗り換えたんだ?」


冷めたように言われ、

(あ、軽蔑されてる、だよねタラシ女って思われたよね)

と1人胸の痛みを必死で我慢する。


「まあいいけど。俺は追われるより追いたい派だから。」

『え?、どういうこと?』

「俺は追いたい性分なのに、今まであなたさんに

ペースを乱されて困ったから丁度いいよ。」


何を言ってるのか理解できなくて困惑している私に

構わず話し続ける赤葦くんに流されるままだ。


赤葦「これから毎日俺の思いを伝えます。

絶対俺だけを好きにさせるからね。」


赤葦の猛烈アピールの末に、付き合うのも時間の問題
____________________
ゆん
今回は無気力組の
国見、研磨、赤葦を
書かせていただきました。

無気力組っていいよね
ゆん
次も見てくれると嬉しいです!
❤と⭐してってね!




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