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2022/01/21

第3話

吸血鬼は人間アレルギー!?


なんとか彼を家までお持ち帰りして
自分のベッドに寝かせたはいいものの…。
佐藤みくる
佐藤みくる
どうしよう…
??
??
うぅ…ん
佐藤みくる
佐藤みくる
あなたのせいで
全身筋肉痛に
なりそうなんだけど!
そう文句を言うと怖い夢でもみているのか
彼は苦しそうに寝返りをうった。

熱を測ろうとおでこに触れると
やけに冷たくて氷のようだ。
佐藤みくる
佐藤みくる
この体温…
やっぱり吸血鬼だよね?

吸血鬼、ましてや男の子を
部屋に入れたのは今日が初めて。

彼を自分のベッドに寝かせている
この状況が突然恥ずかしくなってきた。
佐藤みくる
佐藤みくる
私…とんでもないこと
しちゃったんじゃ!

これじゃまるでイケメン吸血鬼の誘拐ゆうかいじゃん!

あのまま彼を置き去りにしてくることもできたけど
初めて目にした吸血鬼への興味とオタクとしての
探究心がそれを許さなかった。
佐藤みくる
佐藤みくる
まぁ、やっちゃったものは
しょうがないし…
??
??
…ぅうん
佐藤みくる
佐藤みくる
それにしても
イケメンだなぁ〜

きめ細かい白い肌に
鋭い牙がチラリと見える。

でも星がきらめくような夜色の瞳を持つ吸血鬼なんて
今まで調べた文献には1つも載っていなかった。
佐藤みくる
佐藤みくる
青い瞳の吸血鬼…
そうだ、確かあの本なら!

思い立ってクローゼットを開ける。

中には今までこっそり集めてきた
吸血鬼の資料がびっちりと詰め込まれていた。

新聞の記事に吸血鬼向けの専門誌
イケメン吸血鬼の写真集やぬいぐるみから
古い吸血鬼の歴史書まで取り揃えている。

佐藤みくる
佐藤みくる
よいしょっと…!
確かこの辺に…うわ!

ドサ!ドゴッ!バサッ!!

奥のものを引っ張り出そうとしたせいで
大量の本が上から降ってきた。
佐藤みくる
佐藤みくる
あ~あ…
クローゼット以外にも
隠せるところがあったらいいのに

そうつぶやいた時
後ろのベッドがかすかに軋んだ。
??
??
うわ!
ここどこだ?!
がばりと起き上がった彼と目が合う。
??
??
お前!
さっきの変な人間!
佐藤みくる
佐藤みくる
変な人間って失礼な…
突然気絶したから
うちまで運んだだけだよ
??
??
俺に何するつもりだ!?
ベッドの上で後ずさる彼。
ひどく怯えた様子だ。

まぁ知らない女に誘拐されたら怖くもなるよね。
佐藤みくる
佐藤みくる
わ、私は怪しいものじゃないから!
あなたに危害はくわえないし…
でも教えてほしいことがあるの!
??
??
教えてほしいこと?
佐藤みくる
佐藤みくる
あなた吸血鬼…だよね?
その白い肌、それに口元の牙…
瞳だけは珍しい色だけど
そうなんでしょ?

答えない彼。
佐藤みくる
佐藤みくる
ねえ、そうなんでしょ!?
??
??
ち、近いんだけど
佐藤みくる
佐藤みくる
あ!
ごめんなさい!
??
??
相手に素性を聞く前に
そっちが名乗るのが
先なんじゃねえの?

ギロリと彼に睨まれ気付いた。

私としたことが
自己紹介をすっとばしてた!
佐藤みくる
佐藤みくる
私は佐藤みくる、高校2年生
人間だけど吸血鬼に偏見はないよ
むしろ吸血鬼オタクなんだ…
??
??
吸血鬼オタク?
佐藤みくる
佐藤みくる
人間は吸血鬼を怖がるのが
普通らしいけど
それっておかしいと思うんだ
よく知らないだけなのにさ…
??
??
へぇ…
佐藤みくる
佐藤みくる
まぁそのせいで
変人扱いされてるけどね
で、あなたは?
雨神ヨル
雨神ヨル
俺は雨神あまがみヨル
お前の言う通り吸血鬼だ
けど俺は…人間アレルギー
佐藤みくる
佐藤みくる
人間、アレルギー?
雨神ヨル
雨神ヨル
ああ
人の血を飲むと絶対に吐く…
雨神ヨル
雨神ヨル
ってなんで初対面の変な人間に
こんなことまで喋ってんだ…クソ!
佐藤みくる
佐藤みくる
でもさっき私の血
飲んでたよね?
雨神ヨル
雨神ヨル
あ…あれは
雨神ヨル
雨神ヨル
俺がお前の血を吸った
なんてありえねえよ…
ただのオタクの誇大妄想だろ
佐藤みくる
佐藤みくる
でもほらここに
傷痕だって…あれ?
血を吸われた首元に手を当てると
傷痕はすっかり消えていた。
佐藤みくる
佐藤みくる
あれ!?なんで?
雨神ヨル
雨神ヨル
ほら見ろやっぱり気のせいだろ
俺が人間の生臭い血を飲むなんて
ありえねえから
佐藤みくる
佐藤みくる
でも確かに…
じゃあもう一度
試しに吸ってみて!
雨神ヨル
雨神ヨル
はぁ!?
何言ってんだ!

私は強引に彼に迫り
自分の手首をその口元へ差し出す。
雨神ヨル
雨神ヨル
ちょ、寄るな人間!
佐藤みくる
佐藤みくる
ちょっとだけだから
軽く甘噛みしてみて!
雨神ヨル
雨神ヨル
寄るなって!

興奮気味な私とは裏腹に
彼は心底嫌そうな顔で私を避けて出窓に手をかけた。

ガラッ!
雨神ヨル
雨神ヨル
俺は帰る!
もう二度と会うことねえから
じゃ!
佐藤みくる
佐藤みくる
え!ちょっと!
ここ2階だよ!?
きゃー!

彼は突然出窓から飛び降りた。
次の瞬間​───。

背中から黒く大きな翼を生やした彼が
空高く飛び去っていく。
佐藤みくる
佐藤みくる
すごい…
吸血鬼って飛べるんだ…

私は夜空のはるか遠くに
彼の姿が見えなくなるまで見つめていた。
佐藤みくる
佐藤みくる
雨神ヨル…
アマガミくん?
なんてね

彼との出会の余韻に浸っていると
勢いよくドアをノックする音が聞こえた。
どうしたみくる!
今の悲鳴はなんだ?!
佐藤みくる
佐藤みくる
お父さん!?
帰ってたんだ…
入るぞ!
ってこれは…なんだ?
またくだらないものを
集めてたのか!
クローゼットから雪崩のようにはみ出し
散乱している吸血鬼の資料の山。
佐藤みくる
佐藤みくる
これは…えっと
全部没収だ!
佐藤みくる
佐藤みくる
そんな…

私の父はなぜか吸血鬼を頑なに嫌っている。
こんなこと本当はしたくないんだ
けど、分かってくれ
そう言いながらゴミ袋に
吸血鬼の本や資料すべてを詰め込んで
父は部屋を出ていった。
佐藤みくる
佐藤みくる
 はぁ…
またいちから集めなきゃ

我ながら諦めの悪いやつだと思う。

ふと目線を落とすと薬指のアザが
少しだけ濃くなっているような気がした。