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2022/01/11

第1話

イケメン吸血鬼が降ってきました


ここは人間と吸血鬼が共存する世界。

2つの種族はお互いを傷つけないように協定を結び
助け合って生きていた​──。


というのは表向きの話。

実際のところ人間は密かに
吸血鬼への恐怖心を捨てきれずにいた。

佐藤みくる
佐藤みくる
ほら見てはるか!
また吸血事件だってさ!
真柴はるか
真柴はるか
また~?
今月で10件目じゃない?

学校の休み時間。
私は親友のはるかにスマホのニュース速報をみせた。

どうやらまた吸血鬼が人間を襲ったらしい。
真柴はるか
真柴はるか
みくる、絶対夜に出歩いちゃ
ダメだからね!?
佐藤みくる
佐藤みくる
わかってるって!
でも、吸血鬼に血を吸われるって
どんな気分なんだろう…!
佐藤みくる
佐藤みくる
痛いのかな?
気持ちいいのかな…?
真柴はるか
真柴はるか
でた吸血鬼オタク
うっとりと妄想にふけっていると
はるかはいつもの呆れ顔でため息をついた。

私が吸血鬼への愛を語るたび
友達は減っていった。

唯一友達でいてくれたのがはるかだ。
真柴はるか
真柴はるか
吸血鬼オタクも
大概にしなって言ってるでしょ
佐藤みくる
佐藤みくる
無視されても変人扱いされても
私にははるかがいるもんね~!
真柴はるか
真柴はるか
また調子いいこと言って…
危険なことだけはやめなよ?
佐藤みくる
佐藤みくる
はーい

そう。

私、佐藤みくるは自他ともに認める吸血鬼オタクだ。

青春真っ只中の高校2年生にも関わらず
彼氏も作らずに吸血鬼の情報集めに熱中している。

クラスのみんなから「変人」と呼ばれるのにも
もう慣れっこだ。
佐藤みくる
佐藤みくる
 事件現場は渋谷区3丁目…っと

こうしていつも持ち歩いているノートに
吸血鬼情報をメモるのが日課だ。

そんな私でも吸血鬼には
まだ一度しか会ったことがない。

なぜなら人と吸血鬼は行動時間を昼と夜に分け
お互い干渉しあわないように生活しているからだ。

佐藤みくる
佐藤みくる
 みんな知らないだけで
吸血鬼にだっていい人はいるもんね…
真柴はるか
真柴はるか
ん?なにか言った?
佐藤みくる
佐藤みくる
ううん!
なんでもない
真柴はるか
真柴はるか
あれ…みくる
その指どうしたの?ケガ?

はるかは私の手をとって
薬指をまじまじと見つめた。
佐藤みくる
佐藤みくる
あーこれ?
小さい頃からある傷なんだ
気づいたらアザになってて
なかなか消えないんだよね…

知らない内にできていた薬指のアザ。
不思議とこのアザを見ると懐かしい気持ちになった。

真柴はるか
真柴はるか
自分のことには
無頓着なんだから…
少しは吸血鬼への
情熱を自分に向けたら?
佐藤みくる
佐藤みくる
うーん
そうだね…

私は空返事をして
また吸血鬼の情報収集へと戻った。





​────そして放課後。


私は誰よりも早く学校を出た。

人間は吸血鬼が行動を開始する19時までに
家に帰らなければいけない。

ただでさえうちは門限が厳しいから
登下校のわずかな時間さえ無駄にできない。


吸血鬼に会うため
私は危険を承知で例の事件現場へと向かった。
佐藤みくる
佐藤みくる
渋谷区3丁目…
多分この辺だけど…

スマホのマップを見ながら歩道橋を歩いていた
その時​───。



ドサッ!
佐藤みくる
佐藤みくる
うわっ!!
上から人が降ってきた。

まさか飛び降り!?

なんて思ったけど
どう見ても周りには高いビルなんてない。
佐藤みくる
佐藤みくる
あの~…
大丈夫ですか?
恐る恐る近づくと
倒れているのはどうやら背の高い男の子みたいだ。

黒いフードからちらりと覗いた肌はまるで
陶器のように白い。
??
??
うぅ…

閉じられた目の下には寝不足のような黒いクマ。

長いまつげとひどく整った顔立ちに
ドキリと心臓が高鳴った。
佐藤みくる
佐藤みくる
イケメン…

我慢できずに顔を覗き込む。

よく見ると薄っすらと開かれた口元からは
鋭い八重歯が覗き、唇は真っ赤に濡れていた。
佐藤みくる
佐藤みくる
もしかして…吸血鬼!?
そう叫ぶと、倒れていた男の子は突然起き上がり
目の前で盛大に吐いた。


キラキラと謎の効果音が流れるほど
それはそれは綺麗な嘔吐おうとだった。
??
??
うっげぇ~…
やっぱ人間の血、まっっっず!
ぺっ!ぺっ!
佐藤みくる
佐藤みくる
あ…
??
??
うぇっ…
ん…?誰だお前


地面には真っ赤なゲロ。

そして、夜空みたいな青い瞳と目があった。