その日、人類は思い出した…。
鳥籠の中に捕らえられていた、屈辱を…………
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ここはウォールマリアシガンシナ区、北東部。
私、あなた・レオナはお母さん、弟二人、妹二人と幸せに暮らしている。
お父さんは2年前に病気で他界。
生きていくために最小限の消費と自給自足が必須になり、きょうだいの中でいちばん大きい私はよく薪を取りに行ったり、家事全般を行う。
洗濯物を干していたお母さんがこっちに来た。
家族を1人で養っていくため、お母さんは仕事を増やして夜遅くに帰ってくることもある。
そしたらいちばんお姉ちゃんの私は家のことくらい手伝わなきゃ!
せめて休みの日はお母さんにゆっくりさせてあげたいし…
私の大好きなお母さんの目尻が下がった笑顔に安心する。
そして私は庭でじゃれ合っているきょうだい達に向き直る。
私はエルルとテトカを抱きしめた。
そんなこと言いながらもエルルとテトカは満更でもなさそうだった。
本当、みんな大きくなったなあ…。
この前までは両腕で抱きかかえられたけど今は両手で抱えてもはみ出しちゃう…!
このままだとはじめのエルルとテトカが圧迫死してしまうので、一旦手を離した。
テトカが少し呆れたように言う。
みんな立派に育ったな……
私は、家の前の坂道を駆け下りた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。