と、声が聞こえた。
ふと、
彼の携帯をずっと見ていたことを悟った。
わざと
僕の場所から離して
見てないフリをした。
僕がグガの携帯を見ていたかと
バレたかと思った…
今見つけた風に
そう伝えた。
彼の携帯を手に持ち
彼の元へと向かった。
下につき、
彼に携帯を渡した。
と、ポッケに入れていた。
テヒョンが気づいてないだけで
じぃーっと
グガの携帯を見ていたのだ。
と、台所に戻り
ご飯をテーブルの上に並べた。
どれも
とても美味しそうなものばかりだった。
彼が全部作ったものなのか?と
疑問になるぐらいのレベルのうまさだった。
まさか、
こんな美味しい手料理を作る人だとは思わなかった。
とは
言えなかった。
ふふっ。
と笑うグが。
すると彼の携帯から
バイブ音がなった。
と、席を離れた。
離れた拍子に
彼の電話から女の人の声がした。
僕よりも高くて
可愛らしい声が。
一声でああ、可愛い人の声だと思ってしまった。
と、言って玄関まで行ってしまった。
待って、と言おうと思ったが
言ったところで何になる。
と思い
と、呟いた。
彼が居なくなり
ご馳走がたくさんあるが
さっきまで美味しかった
ご馳走が
急に味のしない食べ物に変わった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。