シルク視点
がらがらと重たい新クラスのドアを開ける
すると目の前に見知った彼
出会って6年
中学3年生になった春、同じクラスになった親友のモトキと話す
両手を鼻の傾斜に沿うようにして合わせ、まだ新しい教室の天井を仰ぐ
明らかに苦い笑いを浮かべている彼を見て見ぬふりして、中学生とは思えない綺麗な横顔を眺める
あなたは昔からの仲で、モトキみたいに親友に近い存在
だけど今は友達ではない
友達の延長線上みたいなもんだけど、あなたとは恋人関係だ
その後すぐに先生とかクラスメイトが来たから話すのはやめた
けど、なんとなく
その日心成しかモトキは少し暗くてどこか辛そうだった
…あ、顔柔らかくなった。
率直に思う、安堵の悦
少し意味深な表情を浮かべるモトキに
どうしてか心が痛む
・
・
・
ばし、と少し強めに肩を叩かれツッコミを入れる
テスト前は、そう付け足すと
あなたは少し目を見開いたあと、すぐさま持ち前の弾けるような笑顔になった
チャイムが鳴り、廊下で話していたがクラスに入る
前を見るともうモトキは座っていた
直ぐにモトキの元に行ったから聞こえなかった
泣きそうな顔で呟く、
彼女の言葉に
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。