第56話

❤️🩷特等席
152
2023/05/21 09:56
主
日向ぼっこしたいなぁ...
主
学パロです!









シルク視点
モトキ
...。




しるく
...


目の前で眉間に皺を寄せ、訝しい表情を顕にしているモトキ
勉強とにらめっこすること凡そ2時間半


そろそろ集中が切れて来たのか、大きく背伸びしたり身体を捻り体をほぐしている







モトキ
んん...







もう一度プリントに向かう瞳は揺らがない





まるで俺が居る事なんて頭からは消え去っているような


そんな顔が
しるく
―...

























綺麗


モトキ
...え?
しるく
え、




ふっと此方を向く瞳


邪心の一つも無い透き通った眼に、思わずたじろぐ





モトキ
急にどうしたの?w
しるく
...何が?
モトキ
何がって...急に綺麗とか言うから




不思議そうな顔を浮かべながらも、手元はペンを持ちプリントから離れない



心の中で呟いた一言が本音となり、宙に放り出される


それも、無意識に





しるく
...
しるく
そんな事言ってねーけど...
モトキ
え、嘘まじで

しるく
おう、確かにモトキの方見てたけど
モトキ
え...なんかごめんw
しるく
疲れてんじゃね?身体平気



疲れてんのかなぁ、なんて首を傾げながら疑念を抱いているモトキを横目に、ほっと一息つく








しるく
モトキ
モトキ
ん?
しるく
ちょっと着いてきてよ


疲れが溜まっているであろうモトキに向かって手引きする。


大人しくついてくるモトキを確認した後歩き始める























モトキ
え...ここ?
しるく
うん




驚いた表情を見せ、明らかに混乱している

それもそのはず、リビングで勉強していたのだが、そこに連れていこうと3階に上がったものの





俺が指さした場所は3階の窓だったから




モトキ
え、だって落ち...ちょっと!!
しるく
よっ、と


動揺しているモトキより先に窓を開け、窓辺の柵に身を寄りかける



しるく
おいで!危なくねーから



手を伸ばし、モトキを呼ぶ


モトキ
...
モトキ
分かった



モトキが自分の手を強く握ったことを確認し、モトキを抱き寄せ窓から飛び降りる


すぐさまドンっという足に衝撃が走るが、そこまで高さは無いので少し安心する







しるく
...モトキ、平気?


ぎゅうっと強く目を瞑っていた瞳をゆっくりと開ける
モトキ
...?あれ、ここって




しるく
そう!屋根の上



本当は2階の窓から降りたかったのだが


窓の位置と屋根の場所が少し遠く、通れる所も狭いのでモトキを抱えながらの移動は無理があったため3階から飛び降りることにした




モトキ
びっくりしたぁ...先言ってよ、心中でもする気かと思った
しるく
しないわw後そう思ったんなら手取るなよ




一緒に死んでも良い、みたいな事言うなよ






モトキ
...
モトキ
眺め良いね、初めて来た屋根の上なんて



しるく
だろ、偶に来るんだよ誰も邪魔されないし

モトキ
...ふ、俺はそんな所来て良いんだ?
しるく
...まあ






「モトキだから」来て欲しかったんだけど。





とは、言わないでおいた


しるく
(...今の関係、崩したくねえし)











しるく
ここ日差しが暖かくて丁度いいんだよ
モトキ
そうだね!あったかい
しるく
座ろーぜ


屋根の真ん中でストンと腰を下ろし、景色を眺める
少し風が吹いている事もあって心地いい


























モトキ
...
しるく
...








互いに話す訳でもなく、



ただ、外の景色をみつめる
モトキ
...

しるく
...っ、


遠くを見つめるモトキの表情は、柔らかくて


繊細で





隣に静かに置いている手のひらに、触れてみたい



そう願う



しるく
(...でも、)



触れたいけど







景色を見る邪心の無い瞳に、また「混乱」の色を浮かべさせたくないから




もうちょっと、一人の彼を見ていたいから


もう一度、前を向いた






しるく
(今は、まだ)








この関係親友で居たいから。





主
一応両片思いです!
主
綺麗な感じ(?)に書けた気がする!!

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