__【ハーツラビュル寮】。
__『キッチン』。
キッチン中に甘いいい香りが広がる。
トレイ・クローバーは監督生のために焼きプリンを作っていた。
片思いだから…か。
監督生は甘い香りがした場所へ足を運ぶ。
__気まずい。
ドキドキと心臓が鳴る音がする。
トレイには監督生が子どもっぽく見えていた。
甘いものが大好きな監督生は、こうして俺の元へやってくる。
一瞬驚いた顔をして、監督生はトレイから目をそらす。
顔を少し赤らめて監督生が答える。
あ……かわいい。
ぺしぺしと横腹をつつく監督生。
…想いを伝えるのは難しいもんだな。
いつか惚れさせて見せるように頑張らないと。 end.
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!