さ、さな……?
『さなは……』
そういえば、さっき恋バナした時なんて言ってたかな……
🍭「さなは〜、優しい人が好き!!」
そう、頭の中で流れた。
『特に名前は出てないけれど、優しい人が好きって事は言ってたよ』
私がそう言うとあからさまに頬を赤く染めた てひょん君。
あぁ、そういう事か……
『好きなの?笑』
なんて意地悪っぽく聞くと
🦁「!!」
『分かりやすいよ、てひょん君笑』
そう笑ってみた。
ちっとも笑えない、どうしよう
私上手く笑えてる?
🦁「さなには言わないで!!お願い!!」
そう言って このとおり と言うかのように私の前で手を合わせている てひょん君。
『うん笑 言わないよ笑』
私は笑ってそういった。
そうだ、私は優しい女の子でいなくちゃ
さな……
確かに さな は可愛い、すごく優しいし、なんならすごく頑固な所も可愛いんだ。
私はというと……
さなの正反対の性格、ネガティブだし、なんなら陰キャより((
そんな私が てひょん君 を想っていいなんて
誰も許可していないんだ
『頑張ってね……その……恋を』
私は全力で笑顔を作ると、その場から逃げるように立ち去った。
そうだよね、私が馬鹿なんだった。
きっと、あの班編成の時から決まってた
さなが好きだから てひょん君 は私たちの班にきた。
もうこれが正解を指している
そうだよ、何かってに自惚れてたのよ あなた。
そう心に言い聞かせると無性に涙が止まらなくなった。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。