~家庭科室前廊下~
うちの学校には謎めいた柵がある。
誰も近づかないし、異様な空気感を放つせいか、現実とかけ離れた噂が幾つもある。
例えば…中には某アニメの様な呪われた物やらが置いてあるなど
その噂を女子生徒に話し、怖がらせて面白がっている男子生徒も少なくない
すると
ガタッ
柵の中にある花瓶らしきものが落ちたのである。
周りの生徒も一瞬足を止め、音の元凶を見ると、叫び声やら笑い声やらが入り交じって騒がしくなる。
そう1人呟くと、そそくさと家庭科室へ入る。
先生の元にも聞こえていたのか、家庭科室から出て、柵の方を見る。
小声で話しかけてきたのは隣の席の葉琉だった
確かに俺の人生はずっと平坦だ。
顔も知らない誰か勝手にが綺麗にしてくれた道しか歩いていない。
言われた通りのことしかしない。
それを勝手に誰かのせいにしたり。
つまらない。
その一言で、俺は決心した。
そして俺は少し口角を上げる
いつの間にかチャイムがなっていたらしい
今日は俺が号令の日だ
この3つを言う間。
俺の心は
好奇心に満たされていた━━━━━━━━━━━━━
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。