あなた)あ、あのねッ‥‥‥
神山)‥‥あなた、、
私が意を決して発した言葉と、
智くんの声がピッタリと重なった。
‥‥‥ここで黙ってちゃダメだ!
そんなの、家まで来た意味がなくなっちゃう。
あなた)先、いいよ?‥‥
そう言いながら智くんを見ると、寂しそうに微笑む智くんと目が合った。
神山)俺のせいでごめんな?‥‥
あなた)智くんのせいじゃッ‥‥!!
神山)‥‥あなたが元気そうでよかった。
彼の言葉と笑顔が私の心を えぐるようで、
自然と涙が溢れた。
神山)あなた、病院で俺のこと見ると悲しい目してたやろ?、笑わんくなったやろ?
神山)そんなの‥‥嫌やから、、
神山)俺のせいで、あなたにそんな顔させたくなかった。
神山)リングもさ?こうなったからには渡さんほうがええかなって思ったんよ。
神山)けど、あなたに俺のこと忘れてほしなくて‥‥、けど、悲しい顔するくらいなら、忘れてほしくて‥‥、、
「ごめんな」とか、「俺のせい」とか、
智くんのせいなわけないじゃん。
神山)‥‥いらんかったら捨ててええよ、
どうしてそんなこと言うの?
私にとっては、智くんと過ごした日々の証拠みたいなものなの。
あなた)捨てたいなんて思ったこと、一度もないよ。これからだってありえない!!
あなた)‥‥私ね、智くんに言わなきゃいけないこと、ずっと言ってなかった。‥‥だからそれ、伝えに来たんだ。
あなた)あの時、私のこと守ってくれてありがとう。‥‥ずっと、大好きだったよ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。