第24話

あの日とこれから
291
2020/07/25 14:36



その日から、智くんと目を合わせるのが気まずくなって、会話も、思うように出来なくて‥‥。







先に退院した私は、彼が学校に来るのを待ちわびていたのに、


会わなくなった日々が続いたある日、彼が他の学校へ転校したと聞いた。









私の机に 1通の手紙を残して、どこかへ行ってしまった智くん。








手紙には、



「ずっと渡そう思っててんけど、直接渡せんくてごめんな。

いらんかったら、捨ててええから。」




この短い文と一緒に、あのペアリングが入っていた。











付き合ってたわけじゃない。


だけど、私は智くんが大好きだったから‥‥。



















もう逢えない という現実を突きつけられたようで、










私の心は暗闇へと進んでいった。











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智母)ふふっ落ち着いた?



あなた)はい‥ありがとうございます







ずっと泣いている私を見兼ねて、近くのカフェへ連れて行ってくれた智くんのお母さん。








智母)今でもあなたちゃんのこと、ずっと気にしてるのよ?



あなた)智くんがですか?‥‥



智母)誰かと電話してる時にね、「あなたは元気?」とかそんなことばっかり聞いてたのよw






智母)暇なとき、いつでもいいからお家いらっしゃい!1人じゃ不安なら、お友達でも誰でも連れてきていいから!




智母)あなたちゃんも、智洋とお話ししたいでしょ?









そう言って渡されたメモ用紙には、家の住所が書かれていた。











智母)急に引き止めちゃってごめんね?


あなた)いえ、そんな‥!


智母)生徒手帳はもう落とさないようにね?


あなた)はい‥w


智母)今度はお家で待ってるわね!











智くんのお母さんと別れた後、私はバイト先のカフェへと向かった。





涙はもう乾いたはずなのに、

あっくんと淳太くんの顔見たら、また泣いてしまった。










智くんのお母さんにも、ごめんなさいってやっと言えたんだって、


いっぱいいっぱい、お話したんだよって、





今日のことを報告した。








「頑張ったな」って。


「よかったな」って。




2人の優しい言葉に、また心が軽くなった気がした。










私、逃げないでちゃんと 智くんに逢いに行くね。










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