あなた、…ちゃんの、
…あなたちゃんの答えは、冷たかった。
俺が聞いたことのない声の低さだった
よくあなたちゃんは、
「怒ってないですよ」と
口癖のように、言っていたけれど
たぶんこれは、怒ってる。
失言なのはわかってたし、禁句なのも察してた
でもそれが、なんか、俺はいやなんだ
正義感に溢れてるのかって聞かれたら
違うって答えたいんだけど、
たぶん、正義感に近いものは感じてる。
あなたちゃんは、頼れる人がいなさそうだから
哀れんでるとか偽善者だとか、そうじゃなくて
俺がその辛さを、知っているから
簡単に聞き出すのは、違うよね
でもごめん、俺、わかったかもしれないんだよ
どうか気づかないで欲しいと思う、犯人が
わかるしか、なかったんだ
俺がなにかできるかは、わからないのに。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。