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ちっちゃくて、か弱くて
こうやって抱きしめていても飛んでいきそう。
あなたちゃんが抱えられる悩みなんて
夕飯なににしようだとか、
芸能人の名前が思い出せないだとか
ほんと、それくらい
しょうもないやつだけでいいのに。
ぐずぐず鼻をすすって
すぐにわんわん泣き始めたあなたちゃん。
ちょっと前は、そういう泣き方の女の人は
苦手で近づきたくなかったんだけど。
この子の泣き声は、違うと思った。
今までの分含めてぜんぶ、泣きたかった、って。
そう言ってる気がした。
よく、ジフニひょんとかに言われる。
おまえは世話焼きすぎて
女の生霊めちゃくちゃ多そう、って。
どうだろう、今までは自分の名誉みたいな感覚で
人助けとかしてたかもな。正直。
んー、でもそうだな、
あなたちゃんの生霊なら憑いてほしいかも、
死んでも言わないけどね。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。