仲間たちから次々と報告が入る。どの部隊ももう難しいらしい。窓から外を見る。この場所も時間の問題だ。
仲間たちの悲痛な叫び声が聞こえてくる。自分の作戦は完璧だった。隊員たちの動きもよかった。……ただ、敵がひとつ上手だった。
唇を噛み締める。もっとこうしていればと後悔が溢れる。でも、もう既に後の祭り。敵はすぐ側まで迫っていた。
トントンにそう言われるがグルッペンは椅子から立ち上がらなかった。
トントンはじっとグルッペンを見つめる。グルッペンはそれをしっかりと見つめ返した。
そう言ってトントンは部屋を出ていった。
1人残されたグルッペンは机の中から写真を取り出した。そこにはみんなで馬鹿騒ぎをやっている写真が沢山あった。コネシマの脱糞芸、ロボロのスイカ割り、オスマンのティータイム……色んな思い出の数々がそこにはあった。
グルッペンはこめかみを押さえた。押さえないと涙が零れそうだ。グッと歯を食いしばる。今まで、本当に楽しかったな。外から扉を破ろうとする音が聞こえる。
グルッペンは足を組んで扉を見据えた。せめて最後までリーダーでいたい。ここで泣いていたらかっこつかないだろ。フッと笑って前を見た、その時。
トントンの声がしたかと思うと、一斉に銃弾の音が聞こえてくる。
突然のことにグルッペンは唖然とする。撤退を命令した隊員たちが、思い出の中にいた隊員たちが、今目の前で自分を守るために戦っている。
その中でも一際目立つ、黒髪メガネの頼もしい背中。誰よりもずっと見てきた背中。その背中が目の前にあった。
グルッペンは無意識にその背中へ手を伸ばしていた。
愛しい背中が振り返る。穏やかに笑った顔はいつも私の傍にいてくれた彼だった。
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あっという間に敵が全滅した。当たり前だ、全主力が集まったのだから。いつもは前線に出ないメンバーも前線で戦ってくれた。
トントンが私の前に立ちこちらを見ていた。気がつくと他のメンバーはいない。多分今後の動きをトントンが指示してくれたんだろう。
グルッペンはトントンに見つめられ下を向いた。自分がしようとしたことがバレている。
突然大きな声で否定したトントンにびっくりしていると、トントンはグルッペンの肩を掴んだ。
グルッペンは驚いてトントンを見上げる。トントンは寂しそうにこちらを見ていた。
トントンがグルッペンの瞳を見つめる。トントンの瞳に吸い込まれそうでグルッペンは顔を背けた。
その時、生き残っていた1人が最期の力でグルッペンに銃口を向けた。
ドンッ……
銃の音が響く。銃弾を受け止めたのはトントンだった。トントンが、撃たれる瞬間グルッペンを抱きしめるように庇ったのだ。
銃を撃った相手は力尽きていた。グルッペンは撃たれたトントンを膝枕した。銃弾は背中を貫いており、出血も激しい。
トントンがゆっくりと瞼を開けた。
そう言って微笑み、トントンは手を伸ばしてグルッペンの頬を触る。グルッペンはその手を握りしめた。
ポロポロと涙が零れる。グルッペンの涙がトントンの上に落ちた。溢れる涙をトントンはゆっくりと拭った。
ふふっと微笑む。
どんどん顔色が悪くなっていく。もう目を開けるのもやっとだった。
トントンの瞼が閉じる。これ以降トントンの瞼が開くことはなかった。
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トントンが亡くなってから1年が経った。グルッペンはトントンの墓の前に花束を持って来ていた。
グルッペンは墓に向かって話し出した。笑っているグルッペンの隣にトントンはもういない。だが、グルッペンの心の中にトントンがいる。見えていないだけで隣にはトントンがいる。
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てことで初のtngr&死ネタ&🔞で無い作品でした!死ネタ苦手だ!!でも、いい作品は苦手でも読んじゃうよね。
ちなみに私はtngr派なんですが、grtnの人も多いですよね。1番リバカップルなのがこの2人な気がします!
次はエミさん出せたらいいなぁ……
うん、俺俺。エミさんが1番書くの苦手なんだよなぁ……
そんなこと言われたら頑張るしかない……!次エミさん書きます!多分!!
*追記*
眠かったせいでかなり誤字が多かったです!エミさん忘れてたし……すいません!書き直しましたー!
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新作R18のランキング入りありがとうございます!思ったより順位高くてびっくりしました!
皆さんが見てくださっているのが大きな糧になるので、ぜひぜひ♡や☆お願いします……!笑笑
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。