第7話

死なさへんtngr【軍パロ、死ネタ】
52,546
2019/05/24 04:05
コネシマ
『こちら第3部隊!もう手がありません!』
ゾム
『こちら遊撃隊……もう……』
ひとらんらん
『こちら第1部隊。ごめん、グルちゃん……』
 仲間たちから次々と報告が入る。どの部隊ももう難しいらしい。窓から外を見る。この場所も時間の問題だ。
グルッペン
『全隊員に次ぐ。撤退せよ。お前たちはよく頑張った。自分の命を守れ。』
 仲間たちの悲痛な叫び声が聞こえてくる。自分の作戦は完璧だった。隊員たちの動きもよかった。……ただ、敵がひとつ上手だった。
グルッペン
……ッ
 唇を噛み締める。もっとこうしていればと後悔が溢れる。でも、もう既に後の祭り。敵はすぐ側まで迫っていた。 
トントン
グルさん、そろそろ俺たちも逃げないと。
グルッペン
ああ……
 トントンにそう言われるがグルッペンは椅子から立ち上がらなかった。
トントン
グルッペン!早くしないと!!
グルッペン
トン氏、先に行ってくれ。
トントン
は!?お前を置いていけるわけ……
グルッペン
俺もすぐ行く。少しやりたいことがあるんだ。頼む、先に行ってくれ。
トントン
……
 トントンはじっとグルッペンを見つめる。グルッペンはそれをしっかりと見つめ返した。
トントン
分かった。お前もはよ来いよ。
 そう言ってトントンは部屋を出ていった。
 1人残されたグルッペンは机の中から写真を取り出した。そこにはみんなで馬鹿騒ぎをやっている写真が沢山あった。コネシマの脱糞芸、ロボロのスイカ割り、オスマンのティータイム……色んな思い出の数々がそこにはあった。
 グルッペンはこめかみを押さえた。押さえないと涙が零れそうだ。グッと歯を食いしばる。今まで、本当に楽しかったな。外から扉を破ろうとする音が聞こえる。
グルッペン
そろそろ……か。
 グルッペンは足を組んで扉を見据えた。せめて最後までリーダーでいたい。ここで泣いていたらかっこつかないだろ。フッと笑って前を見た、その時。
トントン
お前を置いていくわけないやん。
 トントンの声がしたかと思うと、一斉に銃弾の音が聞こえてくる。
シャオロン
おらおらおらおら!!
鬱先生
うちのリーダー傷つけたら、俺らがタダでは済まさへんで!
ひとらんらん
コロス……
オスマン
はーい、死んでくださーい。
ゾム
後ろガラ空きですよ!
ロボロ
俺ら、まだ諦めてへんよ!
エーミール
私たちを忘れてもらっては困りますね!
ショッピ
殺さないであげましょうか?……なーんてね。
コネシマ
逃がさへんで!
グルッペン
な……お前たち……
 突然のことにグルッペンは唖然とする。撤退を命令した隊員たちが、思い出の中にいた隊員たちが、今目の前で自分を守るために戦っている。
 その中でも一際目立つ、黒髪メガネの頼もしい背中。誰よりもずっと見てきた背中。その背中が目の前にあった。
グルッペンは無意識にその背中へ手を伸ばしていた。
トントン
グルさん、1人では死なせんよ。
 愛しい背中が振り返る。穏やかに笑った顔はいつも私の傍にいてくれた彼だった。
>
 あっという間に敵が全滅した。当たり前だ、全主力が集まったのだから。いつもは前線に出ないメンバーも前線で戦ってくれた。
トントン
グルさん。
 トントンが私の前に立ちこちらを見ていた。気がつくと他のメンバーはいない。多分今後の動きをトントンが指示してくれたんだろう。
グルッペンはトントンに見つめられ下を向いた。自分がしようとしたことがバレている。
トントン
1人でここで死のうとしたやろ。
グルッペン
だって、それが俺に出来るたったひとつのことやったから……
トントン
アホう!!
グルッペン
え……?
 突然大きな声で否定したトントンにびっくりしていると、トントンはグルッペンの肩を掴んだ。
トントン
お前がおらんでどうすんねん!グルッペンがいて我々だやろ!?お前が死んだら意味ない!
グルッペン
だって……
トントン
だってやない!グルッペン、無茶せんといて……俺の好きな人を死なせんといて……
グルッペン
……え?
 グルッペンは驚いてトントンを見上げる。トントンは寂しそうにこちらを見ていた。
トントン
 俺、グルさんのこと好きやねん。恋愛として好きやねん。グルさんのこと守らせてよ……
 トントンがグルッペンの瞳を見つめる。トントンの瞳に吸い込まれそうでグルッペンは顔を背けた。
トントン
グルさん……
 その時、生き残っていた1人が最期の力でグルッペンに銃口を向けた。
ドンッ……
 銃の音が響く。銃弾を受け止めたのはトントンだった。トントンが、撃たれる瞬間グルッペンを抱きしめるように庇ったのだ。
グルッペン
トン……トン……
 銃を撃った相手は力尽きていた。グルッペンは撃たれたトントンを膝枕した。銃弾は背中を貫いており、出血も激しい。
トントン
グルッ……ペン……
グルッペン
トントン!
 トントンがゆっくりと瞼を開けた。
トントン
よかった……無事で……
グルッペン
俺は無事だ!それよりもトントンが!!
トントン
ええよ、もう……グルさんが守れたのなら、よかった……
 そう言って微笑み、トントンは手を伸ばしてグルッペンの頬を触る。グルッペンはその手を握りしめた。
グルッペン
トントン!死ぬな!待ってろ、今俺がペ神を……
トントン
行かんどって……グルさん。俺の傍に……おって……
グルッペン
トントン……
ポロポロと涙が零れる。グルッペンの涙がトントンの上に落ちた。溢れる涙をトントンはゆっくりと拭った。
トントン
俺のために……泣いてくれとるんやね……嬉しいわぁ……
グルッペン
当たり前だ!トン氏は俺の……俺の恋人だ!
トントン
恋……人……?
グルッペン
そうだ!俺もトントンが好きだ。恋愛として好きだ。両想いなんだから恋人だろう!?
トントン
そう……だね……
ふふっと微笑む。
トントン
そっか。両想い……か……嬉しいなぁ……
グルッペン
だから、恋人の俺を置いていくな!死ぬなんて許さんぞ!
トントン
ははっ……怒られちゃうな……
 どんどん顔色が悪くなっていく。もう目を開けるのもやっとだった。
トントン
グルッ……ペン……俺、ちゃんと、お前の相棒……出来とった……?
グルッペン
当たり前だ!俺の相棒はトン氏しかいない!
トントン
そっか……ありが……と……う……
 トントンの瞼が閉じる。これ以降トントンの瞼が開くことはなかった。
>
グルッペン
もう1年か……
 トントンが亡くなってから1年が経った。グルッペンはトントンの墓の前に花束を持って来ていた。 
グルッペン
ほら、今日はコチョウランだぞ。今日はコネシマがな……
 グルッペンは墓に向かって話し出した。笑っているグルッペンの隣にトントンはもういない。だが、グルッペンの心の中にトントンがいる。見えていないだけで隣にはトントンがいる。
トントン
“俺はいつまでも大好きやで、グルッペン。”
グルッペン
トントン、俺はいつまでもトントンのこと愛しているぞ。














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てことで初のtngr&死ネタ&🔞で無い作品でした!死ネタ苦手だ!!でも、いい作品は苦手でも読んじゃうよね。
ちなみに私はtngr派なんですが、grtnの人も多いですよね。1番リバカップルなのがこの2人な気がします!
次はエミさん出せたらいいなぁ……
エーミール
俺!?
うん、俺俺。エミさんが1番書くの苦手なんだよなぁ……
エーミール
楽しみにしてますね!
そんなこと言われたら頑張るしかない……!次エミさん書きます!多分!!
*追記*
眠かったせいでかなり誤字が多かったです!エミさん忘れてたし……すいません!書き直しましたー!
>
新作R18のランキング入りありがとうございます!思ったより順位高くてびっくりしました!
皆さんが見てくださっているのが大きな糧になるので、ぜひぜひ♡や☆お願いします……!笑笑

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