さとみside
初めて着るホワイトのタキシード。
あと1時間で、式が始まる。
オレは廊下を渡って、
花嫁のいる部屋のドアノブに手をかけた。
花嫁がこちらを振り返る
しっかりヘアメイクもほどこされて、ほんのりピンクがかったドレスはあなたの美しさをより一層際立たせていた。
そして本番。
ヴァージンロードを歩くあなたとお義父さん。
聖書を読み上げる神父
「病める時も健やかなる時もお互いを支え合い、愛し合うことを誓いますか?」
「それでは指輪交換をして、誓いのキスを」
オレに指輪をはめるあなたの手が小刻みに震えていた。
お互いに指輪を交換し合い、顔を合わせる。
緊張して浮かない顔のあなた
そんな可愛らしい彼女に愛おしさを覚えながら、彼女の唇に自分の唇を合わせる。
パチパチパチ…
拍手が巻き起こった。
次は大広間に集まって、宴会だ。
オレはあなたの腕を引いて、
その言葉に胸が高鳴った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。