璃来様リクエスト
最悪だ
今日は紀久に会いに行く日なのに
身体中が怠さに包まれて
おまけに寒さがとまらない
あ、そうだ連絡しなきゃ…
さっき水飲む時に机に置いちゃったんだ
取りに行かなきゃ
ベッドから立ち上がって
携帯を取りに行こうとした
だけどなんだかふらふらしちゃって
倒れる…!
そう思った時にはもう遅かった
目を覚ますといないはずの紀久が見える
熱でおかしくなったのかな
そう言って頬を引っ張っられる
そういえば痛かったはずの頭が痛くない
寒くないし、汗でびちゃびちゃだったパジャマも
変わってて、新しいのになってる
おでこには冷えピタが貼ってある
きっと焦りながらしてくれたんだろうな
ゆっくり立ち上がって、私を抱き締めてくれる
すごく暖かくて、安心しちゃう
名前を呼ばれて紀久の方を向くと
チュッ
優しいをキスされた
リクエストありがとうございました
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!