私には2つ上の幼なじみがいる
その幼なじみは私の彼氏
付き合ったきっかけは私が中3の時
好きな人に振られた日に
そんな奴より俺にしろって言ってくれた
今思えば私は迷わずその手を取っていたと思う
気付けば失恋の痛みなんて忘れて
彼のことが好きで好きで仕方なくなっている
友達が居なくなって
1人きりになった教室で
そっと呟く
彼はまだ学校で司達と居るけどさ
なんて考えていると
後ろから聞きなれた、大好きな声がした
私は教室午後までの授業で
楓士雄に会えるのは夕方だと思ってたのに
嬉しくて思わず思考が固まる
そんな私に楓士雄は
あの日と同じように手を差し伸べてくれた
私の前の席を指さして座ってと伝える
楓士雄は大人しく座って
私の方を向いてくれた
そう笑いながら楓士雄に言うと
楓士雄も笑って返してくれたその顔が愛おしくて
そう言って照れ隠しに笑った
ガタッ
何が起こったか分からないけど
1つ分かるのは、楓士雄に抱き締められてるって事
ぎゅって私を抱く腕が強くなる
ぽつぽつと楓士雄はこう話した
彼にそんな事を思わせていたのか
だけど私は楓士雄が思うより何倍も
楓士雄の事が大好きで仕方ない
今度は私からぎゅって抱きつく
楓士雄は携帯を出して、カメラを開いた
それを隣の机に置いて、タイマーセットした
そう言って私にキスをした
パシャッってシャッター音が聞こえると
チュッと唇を鳴らして離れた
撮れた写真はあまりにも綺麗で
そう零れてしまうほど綺麗だった
この人でよかった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。