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第1話

はじめてのおはよう
2,938
2019/01/07 22:07
――
――――
――――……
柔らかな朝の光が差し込む。
ゆっくりと目を開けたわたしの
視界に映ったのは……
朔良
朔良
おはよう、あなた
あなた

お、おはよう……朔良さくらくん

朔良
朔良
うん、よく眠れたみたいだね
わたしのおはように、朔良くんはやさしく微笑んで応えてくれた。
わたし……そうだ。
昨夜、朔良くんと……
そして。
空良
空良
ちょっと。俺もいるってこと、忘れて貰っちゃ困るなぁ
あなた

空良そらくん

朔良くんと空良くんは双子で、わたしの幼馴染み。
空良
空良
わかってるよな、あなた
空良
空良
昨日からお前は、俺たちのものになったんだってこと
あなた

!!

空良
空良
俺たちに愛されて、お前があんな甘い声あげるなんて

……知らなかった
あなた

――……っ

わたしは恥ずかしくて、上掛けに顔をうずめた。
そう、わたしは昨夜、二人と――……
空良
空良
お前は俺たちの恋人になったんだ
空良
空良
今まで我慢してたぶん……これからはさんざん可愛がってやる
あなた

そ、空良くん

朔良
朔良
こーら、空良。
あなたが恥ずかしがってるでしょ
空良
空良
恥ずかしいって……、昨夜はあんなことしたってのに?
朔良
朔良
あなたは女の子だからね。
ごめんね、あなた
朔良
朔良
はじめてが三人で……なんて、大変だったよね
あなた

う、うん……

空良
空良
何言ってんだよ。あんなによさそうに喘いでたくせに
あなた

……!!

朔良
朔良
空良!

もう朝だってこと、わかってるよね?
空良
空良
はいはい
朔良
朔良
……ねぇ、あなた
朔良
朔良
僕たちは二人とも、あなたのことが大好きで……
朔良
朔良
僕も空良も、どうしてもあなたのハジメテが欲しかったんだ
あなた

うん……

朔良
朔良
あなたも同じ気持ちだったから、僕たち二人に身を任せてくれたんだよね?
あなた

朔良くん

空良
空良
どーなんだよ、
あなた
空良
空良
あなたは俺たち二人ともが好きで、
空良
空良
どっちかなんて選べないくらいに好きでいてくれるんだよな?
あなた

空良くん……

幼なじみのわたしたち。
小さな頃、二人のお嫁さんにはなれないって知って、泣きじゃくったっけ。
あなた

うん……。わたし、二人のことが好き

あなた

朔良くんが好きで……空良くんが好きで……、

あなた

ひとりなんて選べない

朔良
朔良
うん、あなた
あなた

わたし、ずっと……二人の恋人になりたかった

あなた

……だから、今は本当に幸せ

あなた

二人と恋人になれて、結ばれて、

あなた

本当に嬉しい……

朔良
朔良
あなた……僕も
空良
空良
俺だって同じ気持ちだ
空良
空良
子供の頃からずっと、あなただけを想い続けたんだ
空良
空良
これからもずっと、
空良
空良
お前を愛し続ける
朔良
朔良
僕たちの愛はぜんぶ、あなた、キミのものだよ
朔良
朔良
愛してる……あなた
そうしてわたしたちは、代わる代わるキスを交わした。
わたしは、朔良くんと空良くん、ふたりの恋人――……
きっと、これから先も、ずっと。

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