北斗くんが変わった日は突然来た。
その日は久々に北斗くんと動物園デートをしたの。
『ね!見てよ北斗くん!!トラでっかい!!!』
松村「だな笑、あ、あっちにもなんかいるよ?
行ってみよっか」
『うん!』
松村「うわ、こいつあなたみたい笑」
『なにそれ!!酷い!私ナマケモノじゃないし!!
そんなこと言ったら、、北斗くんあれじゃん!』
松村「え、ライオンなの?ありがとう笑」
『え、、喜んだ、、。なんで喜ぶの!?』
松村「ライオンってかっけーじゃん笑」
『ふーん、、』
松村「俺に勝とうなんて100年早いかもな笑」
『むかつく、、!!』
やり取りなんてあの頃から何一つ変わってなくて、
でもこれがお互いすごく楽しくて、
落ち着いて、でもある時事件が起きた。
松村「あなた俺ジュース買ってくるからここで待ってて」
『分かった!』
北斗くんがジュースを買いに行ってる時、
私は1人で椅子に座って待ってたんだけど、
なんか男の人3人組がジロジロこっち見てくるんだよね。
なんだか気持ち悪い、離れたかったけど待ってろって言われてるから。
そんなこと思ってたら3人組が近づいてきたんだ。
「君一人なの?」
『違います、彼氏と、。』
「ふーん、いないけど?もしかして逃げられちゃった?笑」
『ち、違いますから!!ジュース買いに行ってt』
「ま、どーでもいいんだけどさ、俺らと来なよ」
『彼氏いるんで、』
「ほら、早く〜笑」
『いや、、やめて!』
「んだよ、うぜーな、早くこっち来いよ!!!」
男の力になんか勝てるわけがなくて、
もう私無理だって思ってた。
でもその時北斗が助けに来てくれたんだよね。
松村「てめー何勝手に俺の彼女に触ってんの」
「あ?お前か?彼氏は」
松村「そーだけど何。早くあっち行ってくんね?」
「随分可愛い彼女ちゃん持ったね〜、
君には似合わないんじゃない?笑」
松村「お前らの方がよっぽどこいつに似合わないと思うけど笑」
「んだよ、てめー!!」
松村「いいの?手なんか出しちゃって
警察呼んじゃおっかな〜笑」
「っち、行くぞ」
年上の怖そうな人にも関わらず、
堂々と守ってくれて、その姿に改めて惚れちゃって、
それと同時に怖かったのか生理的に涙が出てきて、
北斗がぎゅって優しく包み込んでくれたんだよね。
松村「あなたごめん、俺もう我慢できないかも。」
『え、?なに、、が。』
松村「他の男に見られたくないんだよね、」
『見ないよ、?』
松村「そーじゃなくてさ、なんてゆーの、、
ごめん、ちょっと目瞑って」
『え?』
目を瞑ると北斗くんの甘くて柔らかい、優しい感触が唇に触れた。
これが私のファーストキス。
そして、北斗くんがデレになるきっかけになったのです。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。