うらたside
ソファから降りて、脱衣所に向かう。
センラのスマホ…忘れてったのかな。
興味本位でスマホを開く。
LINEのトーク画面が表示された。
その画面を見て、俺は凍りついた。
志『帰ってこないのー?』
セ『帰るわけないやん。なにいってんの?』
坂『いーの?俺に逆らって。』
坂『センラたちの居場所わかってんだよ。』
セ『だから?』
志『うらたが出勤する時にかっさらってくることもできるよ。』
志『痛めつけた写真でも送ってあげようか?』
セ『んな事させるかよ。』
坂『できるよ。俺らなら。』
セ『…戻ってくれば、うらたには手を出さんのやな?』
坂『あぁ』
セ『約束してくれるか?』
坂『約束する。』
セ『わかった。』
─俺を守るため…?─
場所はわかってる。今行くよ。センラ!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。