うらたside
ピーンポーン
俺はドアを開けた。
センラside
廊下の足音を背に聞きながらうらたに問う。
首に手がまわされ、体が密着する。
俺の耳元で言葉が発せられた。
首に回された腕を振り払い、後ろをむく。
志麻から手紙を受け取り、封を切る。
志麻が家から出ていく音を聞いて、俺は手紙を読み始めた。
久しぶり。
だーいすきなうらたとの同棲生活はどう?
まぁ聞くまでもなく幸せだろうね。それがすっごく癪に障るんだよ。だから、うらた貰ってくね。
全部センラが悪いんだからね?うらたにもいっておくから。恨むならセンラを恨みなってね。
俺と志麻で可愛がってやるよ。
俺は急いで着替えて家を飛び出した。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。