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2020/09/30

第10話

再会
入ってきたのは二人だった。
「まこちゃん。」
リーダーだった、その後ろに一人。
「先日はお世話になりました。」
と挨拶する。

後ろの一人が走り去った。
「おい、待て!」と追いかけてくリーダー。

「やっぱりな。」と推しがポツリという。
「あいつとリーダーで決まってたの。それなのに、ギリギリになって、リーダーが俺を追加したんだよね。」
「そうだったんだ。」

「あいつには言ってなかったんだ。一緒にやるのがまこちゃんだってこと。」
「なんかご迷惑をおかけして。」
「ううん、大丈夫。とりあえず、打ち合わせ済ませよう?」
「いいの?」
「多分、そのための俺なんだわ。」
「すいません。じゃあ、よろしくお願いします。」
番組の内容、コンセプトやどんなコーナーをやるかなどを話す。

「だいたい聞いてたことと変わらないから。あっ、あいつはリーダーが何もかも隠してたから知らないんだわ。」
「まさか、逃げるとは。」
「仕事には真面目やったのになー。」
「私がびっくりした。」
「あっ、そろそろ連れてくるわ。」
「どこまで逃げてんの。」
「LINEだと地下駐車場で確保したみたい。」
「なんで?」
「わかんない。」

「すいません。」
リーダーが首根っこを捕まえて連れてくる。
「いえいえ。でも、逃げるとは。」
「俺もびっくりした。」
「だいたいの話はしてあるんで。」
「ありがとう。」

「とりあえず、座れ。」と彼に促す。
黙って俯くままの彼。

リーダーがそっと私に声をかける。
「まこちゃん、最近、酷いって高橋から聞いた。LINE既読ついてないのも気にしてた。」
「大丈夫ですよ。仕事できてますから。」
「仕事以外の様子が全くわからないって言ってた。今までと様子も雰囲気も変わったって。」
「心配性だな、高橋くん。」
「ごはんもあんまり食べてないんでしょ。」
「前ほどは。」
「今日は何食べた?」
「あっ、おにぎり。」
「食べたの?」
「買ってお昼に食べようと思って忘れてた。」

「ってことは何も食べてないんだ。」
「いつもじゃないです。」
「これ終わったら、仕事は?」
「今日はこのあと会社戻ろうかと。」
「じゃあ、ごはん強制。お前も。」と俯いたままの彼の肩を叩く。
「僕は行かないです。」

「私が一緒なのはご迷惑なので、遠慮しときます。皆さんでどうぞ。」
「それはダメ。まこちゃん、辛そうでみてらんない。こいつも一緒。二人とも見てらんないんだよ。ちゃんと決着つけろ。」
「ううん、僕行かない。」
「リーダー命令、これ仕事だから。」

静けさの中、彼は徐に呟く。
「一つお願いがある。」
「うん?」
「少しの時間でいいから、まこちゃんと二人きりにしてくれないかな?」
「それは私が無理。」と首を横に振る。
「僕のわがまま、聞いて。」
「嫌、絶対に嫌だよ…。」涙がぽろぽろと溢れる。
「二人きりにしたる。そのかわり、まこちゃんが耐えきれんかったら呼んで。行くぞ。」
推しの肩を叩いて二人で出て行く。

二人きりになった。
しばらくの沈黙の後、ポツリポツリと話しはじめた。