第9話

仕事でラジオ局へ
12
2020/09/27 12:03
久しぶりのラジオ局ってほどじゃないけど。
車を駐めて、中に入った。

自社提供の番組を週に一回、30分で作ることになった。
その中で、商品紹介のコーナーなどを私が担当することに。

「このたびはお世話になります。広報メディア担当の坂井です。よろしくお願いします。」
「こちらこそです。」
打ち合わせはスムーズに進んだ。

「あとで、番組を一緒にやるメンバーがくるので、そっちとの打ち合わせもお願いします。」
「はい、よろしくお願いします。」
「ちょっと到着が遅れるみたいなんで、待っててもらってもいいですか?」
「わかりました。」
スタッフさんが出て行って一人になった。

打ち合わせの要点を纏めながら、手帳に書き込んでいると、
「こんにちは。」
とドアが開いた。
「はじめまして、今回番組をご一緒に担当させて頂く坂井です。」と頭を上げる。


「あっ!」とまこが声をあげた。

「うわっ、元気?大丈夫?」
推しがいる!オーディション受けるメンバーリストにはいなかったはずなのに…。
「あっ、よろしくお願いします。」と挨拶する推しに
「どうして??」
「リーダーがお前も新番組のメンバーになるから、打ち合わせいってこいっていうから。」
「本当に?」

「ってか、マジで大丈夫?やつれた?LINE既読すらついてないのな。」
「あっ、LINE…あれから全く見てなかった。ごめんね。」
「あのこと、リーダーから聞いたよ。」
「うん。」
「今日、逢えるかもってのもリーダーから聞いてた。」
「番組制作を考えたのはうちの後輩とリーダーだから。」

「あと二人、もうすぐ来るよ。」
「あと二人?あと一人じゃなくて?」
「二人って聞いたよ。」
「そっか…。」
一抹の不安が過ぎる。

「失礼します。」
「あっ、来た来た。」

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