第23話

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2018/05/04 07:46
メイヌ
メイヌ
貴方が、王女と双子だったなんて……
僕の話が終わると、メイヌは言葉を失う

それもそうだろう、僕はおろか、真実を知っていた父さんからも知らされていなかったのだ

自分だけが知らなかったという失望感は大きいはずだ
メイヌ
メイヌ
やっぱり、一緒に逃げよう…!
エレン
エレン
どうして?
メイヌ
メイヌ
エレンは王女じゃない、ただの召使よ!
召使がこんな目にあうなんておかしいわ!
エレン
エレン
革命軍のリーダーともあろう人が、感情で動いちゃいけないんじゃないの?
エレン
エレン
それに……そんなの、えこひいきだよ
メイヌ
メイヌ
えっ……?
エレン
エレン
僕だって悪いことしてるんだよ
なのに、大事な義弟だからって助けるつもりなのかい?
メイヌ
メイヌ
嘘よ!エレンは悪いことなんかしてないわ!
エレン
エレン
……………………姉さんが着ている鎧は父さんのものかい?
メイヌ
メイヌ
…?ええ、そうよ
私の体に合うように、鍛治屋の…シャルルの親父さんが、作り直してくれたの
エレン
エレン
そう……さすが親父さんだね
僕と戦ったときについた、肩の傷も、きちんと直してある
メイヌ
メイヌ
……えっ?
エレン
エレン
だから……父さんは何者かによって暗殺されたじゃないか
一体これは、誰の仕業だったんだろうね
メイヌ
メイヌ
それは、王女が……
エレン
エレン
か弱い王女様が、1人で父さんを殺せるなんて、君はそう思っていたのかい?
メイヌ
メイヌ
……………
エレン
エレン
ああそうか
分かったよ
君は正義だとか平和だとか、そんなことを大義名分にしていたんだろうけど、そうじゃない
メイヌ
メイヌ
違う………私は………
エレン
エレン
これは復讐だ
君は、自分自身の復讐のために、民衆を利用した
ただそれだけだ!
メイヌ
メイヌ
………違う…………
エレン
エレン
違うもんか!ハハハッ、笑わせるね
この革命で、多くの人が傷ついた
多くの人が死んだんだ!
君は英雄気取りみたいだけれど、僕にしてみれば君もリンナも大して変わらない
エレン
エレン
自分の欲望のために、民衆を利用する……リンナがそうなら君だって「悪ノ娘」だ!
メイヌ
メイヌ
やめて……
エレン
エレン
安心してよ、メイヌ
僕は「悪ノ娘」の味方だ
だから君にも協力してあげなきゃいけない
君の復讐にね
王女は逃げてしまったけれども、問題ない

だって……
メイヌ
メイヌ
お願い……もうやめて……エレン
エレン
エレン
だって、君の仇は……君の父さんを殺した人間は、今、君の目の前にいる僕なんだから
メイヌの絶叫が、牢屋に響き渡った































歌声は、もう聞こえなくなっていた

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