私の彼氏は、二重人格です。
今日は、駅で待ち合わせをして
風晴くんとデートをすることになっています。
これは、風晴くんだ。
普段の彼は、基本こんな感じです。
パシッと、デコピンをくらって
ひりつくおでこを、さする。
風晴くんが、先に行ってしまったのいで
私も置いてかれない様に後をおう。
私の質問に、風晴くんは
と、すまし顔で答えた。
ぜんぜん聞いてないんだけど・・・
風晴くんは、?とクエスチョンマークを
頭に浮かべて、首を横に傾げた。
そういう仕草とか、可愛くて好き。
こう思ってしまう私は、もう
風晴君病の患者の一人だと思う。
以前、風晴君にこしょうをかけた
時があったのだけど、あれ以来
私が、常にこしょうを
持っているのでは、と警戒を
なかなか説いてくれないのである。
人格が無理やり変わるのは、本人の
中では、相当嫌らしく、普通に話して
もらえる様になるまで、ちょっと
時間がかかった。
歩いて、15分後・・・
パシっ
風晴君の腕を掴み、猫カフェに
入って行く。
ズルッ!!
調子に乗っていたやさき、
私は入り口の敷き物に、足を滑らせ
前のめりになる。
パシ
風晴君に、腰を支えられ
ギリギリ地面には、激突しなかった・・・
風晴君、怒ったかな?
風晴君なりに、私のこと
気にかけてくれてたんだ。
心まで、読まれてるかと
思うと、少し照れる。
猫カフェに入り、定員さんに
声をかける。
暖房がきいた8畳ぐらいの部屋に
可愛い猫ちゃんが、クッションの上
キャットタワーに乗っかっていたりと、
猫好きの私にとっては、まさに天国かと
さえ思った。
三毛猫の、人懐っこい猫ちゃんが
私の膝の上に乗り、くわ〜とあくびをした。
バシッと音がしたと思ったら
風晴君の肩に、猫ちゃんが乗ってきた。
さすが、家で2匹飼ってるだけは、あるな!
そう言いながらも、風晴君は
少し表情が緩んでいる気がした。
クールなだけじゃない、風晴君の
表情から、目が離せなかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。