何だろう、私、意識しすぎだな。
その日は、そんな感じで1日を終えたの
だけど、本当の不思議は、次の日からが
本番だったのだ。
帰り道、弱音を吐きつつ
トボトボと歩いていると、後ろから
気配を感じる。って、また風晴君
じゃん!
そして、そのまた1週間後。
もはや、帰り道に風晴君が
後ろを歩いてるのは、日常化して来た
今日この頃・・・なんかモヤモヤと
晴れない心模様の中、過ごす毎日を
変えたくて、勇気を出して、振り返ってみた。
くるっ
どうしよう、何か言われるかな?
振り返ると、一瞬驚いた顔をした
風晴君が立っていた。
しかし、彼は、再びツンとした
クールな表情に戻ると、私の横を
素通りして行ってしまった。
何だろう、心臓がうさい。
私だけが、意識してたんだ。
勘違いするなんて、恥ずかしい。
一緒に帰ってたと、思ってたのは、
私だけ・・・
急に後ろから、声をかけらたせいで、
思わず間抜けな声がでる。
私と風晴君は、今確かに
会話?をしていると思うんだけど。
彼の口から出るのは、謎の途切れ途切れの
言葉、そして長い沈黙が間を挟んでいる。
怖い、怖いよ。
話しかけられてるけど、会話が
まるで成立しない。
風晴君の整った顔が、よけいに
迫力をまして、怖さが倍増する。
できる事なら、今すぐ飛んで家に帰りたい。
ヘラヘラと、笑い、
隙を見て、右足に力を込める。
逃げてやる!!!
が、しかし、、、
バシッと、リュックを引っ張られ
進んだ分の倍、後ろに下がってしまった。
何というか、逃げようとした
私が悪いのだけど、風晴君に
捕まった私は、今、身動きが
取れずに固まっている状態だ。
風晴君は、関係なしに、反省を
しているのか、ブツブツと何か
呟いてる。
私は、風晴君がくしゃみをした
数秒後、とんでもない光景を目撃
してしまった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。