ヤバい…。
ヤバいよね…!?
かなり、待たせちゃってる!
屋上に着き、様子をうかがうようにドアを開けると──
何で樋口先輩がいるの!?
もしかして、あの女の先輩たち…怒って帰っちゃったとか!?
女の先輩たちに呼び出されたと思って来てみれば、
待っていたのは樋口先輩だった。
三島くんと話してたら、少し遅れちゃったから
謝る覚悟で来たんだけど…。
もしかして、クラスの女の子が言ってた先輩が
樋口先輩だったってこと…?
私が勝手に、あの女の先輩たちだと勘違いしてたらしい。
樋口先輩は首をかしげて、なにか考えてる風だったけど
私のほうから話を進めた。
だって、私…どう考えたって先輩につりあってない──。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!