皆でいったんリビングに移動すると、適当にそれぞれの場所に座った。
愛ちゃんは、やたら乗り気だ。
長方形のテーブルを囲んで、私の右隣に愛ちゃん、
そして向かい側に…樋口先輩が座った。
テーブルの両端に三島くんとお兄ちゃんが座り、
全員でテーブルを囲む形になった。
愛ちゃんに分からないところを聞かれ、教えているとテーブルの下で
誰かの足が当たった──
ふたりのうちのとちらかが足を伸ばしていて、
私の膝をツンツンしてきた。
でも私は、愛ちゃんに教えているため、よそ見もできず…。
勉強に戻った私の意識を、途切れさすかのように
またもやさっきのどっちかが、私の膝を足の指でツンツンしてきた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。