アズールくんはそう言うと、ミーオから貰ったマドルを大事そうにしまい、颯爽と去っていった。
ミーオ「アズールって良い奴だな〜!」
ラギー「ミーオ…………」
この時点でめっちゃ心配ッス……。
ラギー「……そういえば。ミーオって何年何組なんスか?」
ミーオ「オレは確かー……3年……D組!」
ラギー「へー……3年……。えっ、3年!!?じゃあ、オレより1つ上……先輩ってこと!?」
ミーオ「えっ、ラギー、オレより1つ下だったのか……?ずっと年上だと思ってた……」
ラギー「オレだってミーオのこと年下だと……。しかもD組って!あのマレウス・ドラコニアと同じクラスじゃ!?」
ミーオ「まれうす・どらこにあ?有名人なのか?」
うわうわうわ、何か凄いことに……。
ますますミーオが心配になってくる……。一応、マレウス・ドラコニアには近づかないよう注意を……。
ミーオ「あっ、オレ、もう行かなきゃ。またなー!ラギー!!」
ラギー「え、ちょっ、待っ…………あ〜〜〜……」
__________________________
オレ、ミーオ・イーゾラは、今、廊下を走っている!
ラギーにも会えたし、寮も決まったし!残りは制服とかの衣服だけだな!
アズールって言う優しい人にも会えたし、良いことが続くな〜。
1回、学園長に自己紹介するためにクラスは教えて貰ったし……。多分覚えてるハズ。
ミーオ「あ、ここだ!3年D組!」
オレはイーゾラだけど、急だったから出席番号は1番最後。
オレにとって、学校というものに通うのは初めてで、ウキウキしながら自分の席に着くけど……。
ミーオ「なんか、1人のヤツがいるな……」
角の生えた人……人か?わからんけど、前の席でぽつんと座っていた。
オレも1人だけどさ。なんか皆に避けられてる……というか。ハブられてんのかな。いじめ?
いろんな考えがオレの頭を横切るが、深く考えるのはオレの性にあわない。
まぁ、とにかく話しかけてみるか。
本当にいじめられてたら、かわいそうだしな。うん。
あと、友達になれるかも。そうしたら分からないことがあっても聞けれるし!
そう思ってオレはそいつに近づいた。
ミーオ「なぁ。お前、1人?オレ、ミーオ・イーゾラ。今日からここに通うことになったんだ!よろしく!」
オレはニコニコとした笑みを浮かべて話しかけた。何だか周りがザワザワしてるけど、何かあったのかな。
そいつはしばらく動かずに、オレをじっと見ていた。
そして、キョロキョロと周りを見渡した後、またオレを見て言った。
???「僕に話しかけているのか?」
ミーオ「?そうだけど。お前以外に1人のヤツいないじゃん!」
変なヤツ!と笑ったら、むっとした表情になった。
???「ほぅ……。この僕が、変なヤツ……か」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。