両親が死んでいた。いや、正しくは″グチャグチャになった両親らしき肉片が散らばっており、死んでいると判断した″だろう。私は、その肉片を出来る限り避けながら、キッチンにある包丁を手にした。
今は呪具もなにも持っていないので、一応持っておいた。私は包丁を右手に持ったまま、2階に上がった。
侑「く、くんなや!」
2階の廊下を歩いていると、侑の声が聞こえ、走って声がした部屋に向かった。ドアを蹴り破ると、呪霊が治を襲うところだった。
私は瞬時に《行動可能》を【指定】して【無効化】した。
久々で、治達も動けなくなった。だとしても、解除せずそのまま包丁に呪力を流して、呪霊を祓った。
あなた「怪我は?」
治「な、無い…」
侑「なん、やったん……?」
あなた「怖かったな。もう、大丈夫だよ」
不完全な領域が消えて、私は持っていた包丁を下に捨てて、2人を抱き締めた。
すると、2人共声を出して泣いた。私の両肩は濡れた。
*****
あなた「この部屋から出たら駄目だからね」
そう言って私は、この部屋から出てドアに凭れ掛かった。
ポケットに入れていたスマホを取り出し、ある人に電話を掛けた。
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はい!作者です!!
あなたさん、まだ泣いてない。
まあ、まだ泣けない。の方が合ってるのかも?
ってことで、また次回!
バイチャ!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!