第110話

110
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2021/04/23 12:18
流星side

あれから1年数ヶ月が経ち

俺らは卒業まであと数日のところになっていた。





駿佑『…流星くん』

流星『…ん?』

駿佑『…なんもない』


みっちーはたまに

あなたのことを見ては辛そうな顔をする。

そんな空気作ったって

恭平は戻ってこないのに。









流星『…今日バイトや』

駿佑『そっか頑張って』

流星『ばいばい』


俺はカフェでアルバイトを始めた。

もちろんあなたのため。

恭平に会わせたるから絶対。
















流星『…は?』


いつも通り、看板を立てていると

見覚えのある姿が見えた。










流星『…恭平…?』


そこには誰かと電話をしながらダルそうに歩いている恭平がいた。

あの仕草は絶対恭平だ。














流星『…』


あなたがどんなに辛い思いをしたか。

平然と電話をしている恭平に苛立ちが隠せなかった。
















流星『…なんやねん…』


もうあなたのことはどうでもいいんか?

いや

恭平ならそんなはずない。

俺は電話をしている恭平から目が離せなかった。

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