最近、よく青井さんと一緒にいる時が多くなってきた。
能力の事だけじゃなくて、アニメとかテレビの話だってする仲になった。
でも、僕はやっぱり能力の方が気になる。
「青井さんは、自分の能力の事どう思ってるの?僕は、大嫌いだからさー」
青井さんは、笑う僕とは逆に少し悲しそうな顔をした。
「私は、嫌いじゃないよ。幸せだと感じるよ」
「本当?だって、人殺してるんだよ?人を嫌いになる自由だってない。僕だって、人を好きになれない。それって、幸せなの?」
そう言うと、青井さんは大きな声で笑った。
「面白いね、君は。今までで1番笑ったかも」
青井さんは、笑い続ける。
可愛いな...。
大声で笑う君が愛しくて。
僕は、恋に落ちた。
でも...。
君は、死んじゃうね。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。