第2話

同じだねって笑い合っただけで
35
2018/12/05 08:12
「あの、青井さんって透視能力とかあったりするのかなーって思ったんだけど、、噂で」
僕は噂を信じている訳じゃないけど、すごく気になって本人に直接聞いてみた。
「自分が嫌いになった人は死んじゃうってほんと?」
青井さんは、無言で僕を見た。
「あの、、そうだからってどうすることもないけど、そうだったら嬉しいなって」
「嬉しい?」
ずっと閉じていた青井さんの口が小さく開いた。
「僕も透視能力があって、、。僕が恋をした人は死んじゃうの。だから、同じだったらいいなって」
そう言うと青井さんはフフッと小さく笑った。
「そうだよ、君と同じ。仲間だね。嬉しいよ」
そう言って、今度はさっきよりも大きい声で笑った。
あぁ、なんて美しいんだろう。
青井さん、きれいだなぁ。

あまりにも貴方が笑うから、僕も声を出して笑ったんだ。

こうして同じだねって笑い合えただけで、僕はすごく幸せなんだ。

プリ小説オーディオドラマ