「この世界に転生して足りないものが判明したわ。」
「なに?突然。とち狂った?」
「いやいや、さすがに失礼だろ。レイ。事実でも指摘してはいけないものに分類されているだろう。」
「そうですね。仮面か普通かで今のみーはたしてどっちなのでしょうか?」
「バリバリ聞こえてるわよ?この世界に足りないものそれはアニメーション!!」
「あにめーしょん?」
「アニメよ、アニメ!私のこよなく愛すもので厳重ロックのかかってるあのアニメ!」
「みー、壊れた?」
「なによ、全部さらけ出せてるのに!推しキャラが拝めない世界なんて悲しいわ。」
「みー、マジ大丈夫か?」
「普段のみーから考えられないようなハイテンションですね。」
「なんか、ホント切ない。こう言われるから仮面が必要なのよ…。」
「あー。ごめんごめん。アニメだっけ?すごいね!今度見せてほしいな?」
「レイ!!私の推しキャラの話を聞いてくれるのね!」
レイはこの日みーから逃れることは出来なかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。