後ろから、声がする。
振り替えると、黒のローブに身を包んだ人が立っていた。
声からして、男だろう。
低くて、結構イケボ。
そして、
と、私の名前を呼んできた。
つい、声を出してしまった。
こんな、いかにも不審者だって外見でわかるんだから、無視した方がいいんだろうけど。
でも、私の名前を…
そう言い男の人はローブに手を突っ込み、紙を取り出し、
紙に書いてあるであろう文章を読み上げた。
意味がわからない。
急に呼び止められて、あと12日で生涯を終える?
それって…
私が呟くと、風が強く吹いた。
そのおかげで、男の人のフードも吹かれ、顔が見えた。
その顔は、私の反応を心底楽しんでいるような、不気味な笑顔を顔に浮かべた男がいた。
男は、一歩、また一歩とわたしに近づいてくる。
……不気味な笑顔を顔に浮かべたまま。
逃げたい。この人から。
でも、足が震えて、動けない。
そうだ、大きな声をだして助けを呼ぼう。
だめだ、怖くて、声が出せない。
目から涙が溢れてくる。
怖い。怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。
男は桃色の髪で、可愛らしく見えるのに。
この、青紫の目が、しっかり私を捉えてる。
恐怖で何もできない。
そのときだった。
いつの間にか、男の後ろに男の子が立っていた。
少しガサガサしたような声で、男の子は言った。
この子、男と一緒のローブ姿だけど、顔が見えていて、怖くはない。
青い髪に、青い瞳。
綺麗な子。
男は、手を頭の後ろにやり、口を尖らせていった。
なんだか、この子のおかげで恐怖が薄れた。
まだ震えて入るものの、涙は止まった。
男の子は名前を名乗るとニヤリと口角を上げお辞儀をした。
それにつられてか、男も
そういい、お辞儀もせずにつまんなそうにしていた。
2人の喧嘩のようなものを見て、私はまともそうなころんさん…?に話を聞くことにした。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。