ルキ君と黒夜君がいつでも入れ代われるのを知って、少しだけ驚いている自分もいる。
でも今は、驚いて話を止めるのではなく話を進めるのが先。
そういえば、菜摘さんは今何をしているんだろう…。
え?何?どういう状況?
急になーくんの圧が大きくなって、皆がしーん…って静かになって……。
付き合ってるって、そういう意味だったんだ…。
殺…された……?
なーくんが莉犬君の背中を優しく擦っている。
なーくんは、皆の事を大切にしているんだなって改めて思った。
ーーえ?11年前って、あの王子様と私が会った時じゃない…。
ーー酷い。その言葉しか出てこなかった。
愛する人を目の前で殺されて、傷つかない人はいない。人間でも、吸血鬼でも…。
悪いのはそっちなのに…最初に恨まれる事をしたそっちの方が悪いのに…!
誓い……?あっーー
ーーやっぱり、そうだったんだ…。
食べられちゃうかもって…絶対死にますよね私。
これでやっと、元の世界に帰れる…そう思うとなぜか、少し心が傷んだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。