第38話

‐第三十七話‐
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2020/05/28 08:09
ーさとみ視点ー
皆が人間界に持っていく衣服やら小物やらを整理している間、俺とあなたはとある所にやってきた。
さとみ
さとみ
ここだよ
桜崎 (なまえ)
桜崎 あなた
ここが、薊さんの…
恐らく人間界に行ったら、暫く来る事が出来ない。
だから、お別れ・・・を告げに来た。
俺の手中には白と紫のシオンの花束がある。
桜崎 (なまえ)
桜崎 あなた
さとみ君、本当に良いの?
さとみ
さとみ
ん?何が?
桜崎 (なまえ)
桜崎 あなた
シオンの花言葉、知ってて持ってきたでしょ?
さて、何の事だか。
さとみ
さとみ
あれ?シオンの花言葉ってなんかあんの?
桜崎 (なまえ)
桜崎 あなた
・・・。
あ、引いてる。
これは引いてる態度だ、多分。
こんな所までアイツに似てるんだな。
さとみ
さとみ
薊、俺は人間界に行く
暫く会えないし、もう二度と会えないかもしれない
だからここでお別れだ
俺は墓に向かってそう言うと、シオンの花束を墓に置いて来た道を戻った。
花言葉?勿論知っててシオンの花にしたんだぞ?
シオンの花言葉はーー
“君を忘れない”
アイツが忘れろとか言っても俺は絶対忘れない。
存在自体を忘れると、今まで散々アイツの事で相談に乗ってくれた皆の気持ちまで忘れるという事だ。
だから、心の奥に閉まって置くよ。
それに、また守らなきゃいけない物が出てきたからな。
お前にそっくりで、愛しい存在が。
ーー次は絶対にヘマしねぇ。
例え、何があっても・・・・・・

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