ーさとみ視点ー
俺は弱い。
いつまで経っても、大切な物何一つも守れない弱い男だ。
あの時、俺が彼女の傍にいたらあんな事にはならなかったのに…!
俺…生きてる価値無いかもな。
今と昔じゃなにも変わってない。
強いて言うなら、殺し屋を止めた事。
それとーーあなたと誓いをたてた事、かな…。
けどあっちは覚えてなさそうだし、別に俺がいなくなっても大丈夫だろう。
蓮はそのまま去っていった。
別の現実受け入れろってよく簡単にアイツは言うよな…。
ん?
俺の現実とは別の事って意味なのか?
ーーやっぱり分からん、アイツの意図が分からん。
アイツ頭良いのか悪いのか分かんなくなってきたな…。
てか計算高い?
ーー元々はなーくんが拾ってきたんだっけ?
でそっからなんやかんや合って…。
甘いもの、食べたいな…。
まだ俺の部屋にあったよな…。
ーーあ、どうせならあなたも誘ってお茶会でもするか。
それとなーくんに話出来るなら…今後の事も話し合わなきゃいけないし…。
ーーとりあえずあなたを探そう、話はそれからだもんな。
ーータイミング良すぎね?
てかなーくんいるじゃん。
こっちも話したいことあるしな、丁度良かった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!