第24話

‐第二十三話‐
221
2020/05/01 13:27
ーななもり視点ー
ありさちゃんと顔を合わせて確信した。
何億、何兆という数の中見つけた契約者運命の人
どうやら俺はジェル君同様胸が温かくなるような感覚らしく、今はめちゃくちゃ温かい。
今すぐにでも俺の物にしたいけど、この子人見知りらしいしアイドルだし…どう近付こうかな……。
また一つ悩みが増えたな、なんて思いながらも彼女の事を見た。
ーーやっぱり少し怯えているのか、表情が固い。
あなたちゃんが吸血鬼って言ってから余計固くなった気がする…。
これは話せる状況じゃないのかもなぁ。
神崎 ありさ
神崎 ありさ
あ、あの~…
ななもり
ななもり
ん?どうしたの?
神崎 ありさ
神崎 ありさ
元の世界に帰る事って出来ないんですか…?
ああ、そんな事気にしてたのか。
俺は別に還してもいいけど、どうせなら全員一緒にがいいもんな~。
ななもり
ななもり
別にいつでも帰れるけど、今は大人しくしといた方がいいよ?
召喚者の場合、召喚した時に使った魔力が少しだけ残る可能性がある。
それを完全に消えるまで待つか、誰かの力で上書きすればいいけど…。
上書きの場合逆に体に負担が掛かるから大人しく消えるのを待つのがいいと思う。
そしたら三日間はここにいなきゃいけないけどね。
神崎 ありさ
神崎 ありさ
そう、ですか…分かりました、しばらくお世話になります
そう言ってありさちゃんは俺に頭を下げた。
礼儀正しい子なんだな、って思っちゃってそんな所も可愛いと思う。
アイドルだからもっとぶりっこな子だと思ってたけど予想が外れてくれて嬉しい。
ころちゃんもこの位落ち着いてたらいいのにな~。
ーーでも、なんだか違和感がある。
あなたちゃんの迎えに合わせてアイツらが行動しているような感覚。
菜摘ちゃんの襲撃、ルキ君の人間界からの誘拐、桃羽ちゃんの人身売買、ありさちゃんの召喚。
何もかも全てが偶然だなんて言える程俺の頭はバカではない。
それにルキ君を除く全ての女の子が俺達の契約者になる子達。
これはもしや、仕組まれてる…?
いや、そうとしか考えられない。
これだけの偶然が必然的になったのだって何者かが計画していた事に違いない。
そして最後の契約者は莉犬君。
莉犬君は確かあの子がいたはずだけど…今も契約が切れていないという事はきっとあの子も生きているはず。
そっちも含めて早く探さないとな…!
ななもり
ななもり
ごめんありさちゃん!
俺ちょっと用事出来たから、また後で話そうね!
神崎 ありさ
神崎 ありさ
あ、はい!
そうして俺はありさちゃんの部屋から出た。
ーーにしても、
ななもり
ななもり
やっぱありさちゃん可愛い…うん

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