ー菜摘視点ー
見上げる程高い高層ビル。
ガヤガヤと煩い位の人の声。
道を行き交う大勢の人間。
嗚呼、やっと戻ってきたんだ…って思えれば良かった今日この頃。
私は期待半分、戸惑いと不安半分で元の世界に足をつけた。
まさかの新事実、あなたは私より年下であった。
ってそんなのは置いといて。
もしかして…いや、そんな事あっていいのか?
あんなにしっかりしてる(?)なーくんがまさか、まさかーー!?
ーーマジで?
ルキは心底嫌そうな顔をしている、どれだけ嫌なんだか。
ーー魅夜、人間性疑うよと言いたい所だけど、流石に私もそれは同意する。
ただでさえ有名人が三人もいるのに、この場にいたら私達にまで被害が及ぶ可能性が高い。
としたら、無理矢理にでもルキにハウスに連れていって貰わないとお互いかなり不味い。
それをルキは分かっていて言うのだろうか。
それにルキは一回誘拐されている身、ずっと意地を張っていたらまた誘拐されるかもしれない。
なーくんが住所が書いてある紙(?)を渡してルキ君はそれを読んでいる…のかな?
は?5km?そんなに歩かなきゃいけないの?
ーーそんなこんなで街をウロウロしながらルキの家と行きたい所に向かう私達。
ルキの行きたい所ってどこなんだろう…。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!