第10話

放課後
2,150
2019/01/07 03:29
話し合いも終わり、授業が終わり、






放課後ですぅー








ドタバタドタバタっ







鞄に乱暴に教科書をつめて向かってきたのは、やっぱり恭平




恭平
恭平
あなたっっっっ!!
あなた

いや、ビビるわ笑

あなた

ねぇもうちゃんと鞄につめてよ
教科書はみ出てるし

恭平
恭平
そんな事はええねん!
はやく話!!もう皆帰ってったやん?




あ、あんまり皆に聞かれちゃいけないって、少しか考えてくれてたんね





バカなのに。





あなた

もぉなにさー、そんな焦って

恭平
恭平
あかんで…?
あなた

へっ、…?



急に腕を掴まれるから、なにも考えられない状態




恭平
恭平
おまえ、泣いたりせんよなぁ?
あなた

そ、そんな泣くような話じゃないよ、

恭平
恭平
ならええけど、俺あなた泣かせたないねんもん
あなた

い、意味わかんないしっ

あなた

てか腕!離して!

恭平
恭平
はいはいっ 、
優羅(ゆら)
ごめん!お待たせ!
冬馬(とうま)
すまんすまんっ、
恭平
恭平
で、話してもらえる?
あなた

うん、あのね…

あなた

中学生のころ、部活の後輩で、仲がわりとよかった男の子がいたの。

あなた

その子に、ある日告白されたんだ。
一目惚れしました、付き合ってください。って

あなた

うち、告白されたことなかったし、嬉しくて、いいよって言ったんだ。
だけど、ほんとはその子、罰ゲームでうちに告っただけで…

あなた

次の日、フラれた。
だからその日から…告白に信じられなくなって。人を好きになれなくなった。
とくに一目惚れなんて聞いたら、絶対に信じられないんだよね。

あなた

だから、恭平に告白されて、しかも一目惚れ。そんなの聞いたら、最初は信じなかった。また嘘なんじゃないかって。
だけど、少しだけど、恭平は本気なんだなぁって思って。

あなた

でも、ほんとに好きな人としか、付き合いたくない。
だから、そんな気持ちを、恭平に抱けるのかもわかんないし…こわくて、さ…っ

恭平
恭平
俺は…本気やよ。
恭平
恭平
絶対に嘘なんかつかんし、あなたに一目惚れしたんも事実。
あなた

うん……っ、

冬馬(とうま)
にしてもさぁ、俺…
小学生のころ、あなたって名前の子に会ったことあるねんけど
恭平
恭平
冬馬。それ、ほんまは目の前にいるあなたのことやねん
冬馬(とうま)
…え?まじ?
あなた

………はっ?何言ってるん?

恭平
恭平
あなた、覚えてるんかなぁ…
小学2年くらいのころ。公園で、俺と冬馬が遊んでたらな、泣いてる子が1人おってん。
冬馬(とうま)
あ、そうそう
恭平
恭平
したらなそいつ、ママがいなくなったー言うて泣きじゃくるねん
恭平
恭平
なんか俺、ほっとけなくて
たぶんそん時から、俺はあなたが好きやったんやな。
あなたに、一緒に遊ぼって、抱き締めてん。
あなた

え……、あれ、恭平くんやったの?

あなた

たしかに、その出来事は覚えとる。けど、2人やったん?

冬馬(とうま)
あなたが遊ぶって言った時、俺らで自己紹介してんな。やからそれで、俺も恭平も覚えとったん
あなた

…あぁ!!
だからだ!冬馬って名前聞いて、なんか聞いたことあるなぁって思っててん!

恭平
恭平
え、俺は?
あなた

恭平は、忘れとった

恭平
恭平
うわ、ひどないそれ
あなた

ごめんごめん

恭平
恭平
…だから俺、ほんまは一目惚れじゃなかってん。
昔っから好きで、いつもどこかにお前がおった。
けど俺の事、覚えとるわけないからさ、一目惚れって言うしかなかったやん?
優羅(ゆら)
え、それなら初めからさ、伝えとけばよかったやん。俺ら会ったことあるねんでって
冬馬(とうま)
たしかに。
恭平
恭平
…ま、まぁ!俺そこまで頭まわらへんもん!
バカやし、しゃあないねんっ!
あなた

ふっ、…笑笑
まぁいいや、でもうち、本気で好きになるかわからないからね?

恭平
恭平
そこは俺が好きにさせるって、何回もゆーとるやん!
いつかは俺しか見られへんよーにしたる
あなた

はいはい、/

恭平
恭平
もぉこりゃ卍やなっ
冬馬(とうま)
うるさいわ卍




ちょっと照れてるのは、1人だけのひみつ。






絶対に、心が揺らいでいるのも、ひみつ。






そんな過去があったなんて、忘れてたけど、






やっぱり恭平は、本気なんだって、ちゃんとわかった。






でもやっぱり、好きにならないと思うけどなぁ〜?笑



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