第12話

炊事学習
1,832
2019/02/20 12:15
なんで、女の子と座ってるの___?







違う、幻なんかじゃないんだ。






女装した男子?



ただの目の疲れ?





何度もそうやって疑ったのに。




隣には、女の子が…、彩音ちゃんが、




恭平の隣に座ってた。




恭平
恭平
あ、…ごめん、あとでなっ



私と視線も交わさず、どこを見てるのかわからないくらい、目を泳がせ、

サッと流された会話。





あなた

ッ 、…




意味わかんない。






これって、意味わかんない。






なんで、…こんな思い。





彩音ちゃんと座ってることに、腹が立った。




彩音ちゃんが羨ましかった。



さっきから楽しそうに笑っていた彩音ちゃんは、、恭平と笑っていたんだ。



私が好きじゃないんだって、嫌な気持ちになった。




彩音ちゃんが好きになっちゃったんだって、悲しくなった。







この気持ちの正体を、私は知ってる。

















恋__








絶対に抱くもんかと思った、恭平への恋心。







ついに、気づいてしまったんだ。






どこか自分の中で、そんな気持ちを知らないふりしてきたんだ。







だって、こうなる事も、予想出来たから。






一目惚れなんて、ろくな事ないってわかってたから。







まさに今、好きだって気づいた今、

こうやって恭平にフラれた。







昔のトラウマから、一目惚れなんてこうなるもんだってわかってたのに、



あまりにも恭平が、私の心に入ってくるから…



好きになっちゃったじゃん。





好きで好きで、すぐに妬いちゃうくらいで、



どうしようもないくらいに。






あぁ…もっと早ければ、




もっと早ければ、恭平と付き合えたのかな。






もっと早ければ、、








ほらもう、


後悔ばかりでおかしくなりそうじゃん。。



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