なんで、女の子と座ってるの___?
違う、幻なんかじゃないんだ。
女装した男子?
ただの目の疲れ?
何度もそうやって疑ったのに。
隣には、女の子が…、彩音ちゃんが、
恭平の隣に座ってた。
私と視線も交わさず、どこを見てるのかわからないくらい、目を泳がせ、
サッと流された会話。
意味わかんない。
これって、意味わかんない。
なんで、…こんな思い。
彩音ちゃんと座ってることに、腹が立った。
彩音ちゃんが羨ましかった。
さっきから楽しそうに笑っていた彩音ちゃんは、、恭平と笑っていたんだ。
私が好きじゃないんだって、嫌な気持ちになった。
彩音ちゃんが好きになっちゃったんだって、悲しくなった。
この気持ちの正体を、私は知ってる。
恋__
絶対に抱くもんかと思った、恭平への恋心。
ついに、気づいてしまったんだ。
どこか自分の中で、そんな気持ちを知らないふりしてきたんだ。
だって、こうなる事も、予想出来たから。
一目惚れなんて、ろくな事ないってわかってたから。
まさに今、好きだって気づいた今、
こうやって恭平にフラれた。
昔のトラウマから、一目惚れなんてこうなるもんだってわかってたのに、
あまりにも恭平が、私の心に入ってくるから…
好きになっちゃったじゃん。
好きで好きで、すぐに妬いちゃうくらいで、
どうしようもないくらいに。
あぁ…もっと早ければ、
もっと早ければ、恭平と付き合えたのかな。
もっと早ければ、、
ほらもう、
後悔ばかりでおかしくなりそうじゃん。。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。