私の初恋は中学1年生の時。
勉強も運動も出来て、顔もかっこよくて、誰にでも優しい。
少女漫画に出てくるような子だった。
席替えで前後の席になって、同じクラスなのにそれまで接点のなかった私と彼はそれをきっかけに仲良くなった。
気付いたら、彼の言葉や仕草にいちいちドキドキしている私がいた。
彼に恋をした。
でも彼は人気者だったから、想いを伝えることもなく月日は流れ、片思いのまま卒業を迎えた。
切ない私の片思いもその日で卒業。
きっともう二度と会えないであろう彼の背中に
『‥‥バイバイ。』
と、そう別れを告げて。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!