第14話

走馬灯
16,852
2020/06/03 04:14
影千代
ほらほら!こっち!
あなた幼少
待ってください影千代様!
影千代
ほら!捕まえてみよ!
あなた幼少
ハァ……ハァ………もう降参です………
影千代
なんだつまらん……
姉上
あなた、影千代様
あなた幼少
姉上!
影千代
椿殿、お久しぶりです
姉上
お久しぶりでございます
姉上
2人を、御父上と御母上が読んでおりましたよ
影千代
父上が………?
あなた幼少
どうしてですか?
姉上
さぁ……妾には検討がつかぬ
影千代
ならあなた、行くぞ
あなた幼少
はい!
────
影千代父
参ったか
影千代
はい、父上
影千代母
あなた殿も、息災のようで何より
あなた幼少
ありがとうございます、光乃みつの
影千代父
いやはや、あなたも礼儀作法がしっかりしておる!
一体どんな教育をされておるのじゃ
あなた父
大したことではござりませぬ
きっと、亡き母に似たのでしょう
影千代父
そうかそうか!
影千代
あの……お話というのは………?
影千代父
そうじゃ、忘れるところであった
影千代父
影千代とあなたを、婚約させよう思うてのう
あなた幼少
婚約………?
影千代父
我が産屋敷家と藤原家の関係をさらによくしてゆくためじゃ
あなた父
産屋敷家は今や最盛と言っても過言ではござりませぬ!
そんなお家と手を結ぶなど、こちらには、勿体無い所存です
影千代
私は………お受けしたいです
あなた幼少
影千代様………?
影千代
あなたは嫌か?
あなた幼少
え?嫌では………
影千代
なら、(あなたの手をとる)
影千代
この影千代と、夫婦になってくれるか?
あなた幼少
………………
あなた幼少
はい、喜んで
影千代母
まぁ、微笑ましいこと
影千代父
影千代もやるようになったものだ
影千代
約束だぞ?
あなた幼少
はい!(小指を絡める)





























これは…………走馬灯………?


















私がまだ幼い時の…………



















そっか、私…………死ぬのか…………



















あなた

……………

あなた

朝………

あなた

(何とか日が当たっていない…………)

あなた

(強風でも吹いたら間違いなく………)

ビユォォー



ガサガサガサ(木の枝が揺れる音)
あなた

ジュッ

あなた

(顔半分が焼けた…………)

あなた

あはは……これじゃ再生できない………

あなた

ふっ………呆気ない一生だなぁ…………

そして、私は眠りについた

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